2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659535
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森崎 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60182226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹田 良平 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50245594)
鈴木 武志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80327600)
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Keywords | 敗血症 / ラット / LPS / 心機能障害 / α2アゴニスト / 心筋保護 / 順行性摘出灌流心標本 / TNF-α |
Research Abstract |
本研究においては、早期より障害される敗血症心筋に対し、α2アゴニストデクスメデトミジン(DEX)の投与がその機能障害の進行を抑えるとの仮説を立て、ラット敗血症モデルを用いて証明することを目的としている。ラット敗血症モデルは、今回、盲腸結紮術よりも安定している内毒素(LPS)投与により行い、計4群間(sham群、sham+DEX群、LPS群、LPS+DEX群)で、順行性摘出灌流心標本において比較検討した。平成18年度では、まずラットへのLPSおよびDEX至適投与量とLPS投与から心機能評価までの至適時間の検討を行った。LPS投与後2〜3時間後に心機能障害の主な原因の一つであるTNF-αがピークとなること、過去の報告においてLPS 15mg/kg投与約4時間後より死亡するラットが出ることから、LPS投与量を15mg/kgとしたうえで、LPS投与から心機能評価までの時間を5時間とした。LPS 15mg/kg投与5時間後では、sham群に比べて活動性が低下しており、心機能評価ではLPS群ではsham群よりも心拍出量が低下していた。DEXの至適投与量については、ラット敗血症モデルに対する5μg/kg/hrの投与が生存率を改善したとの報告に基づき5ug/kg/hrとした。 LPS+DEX群ではLPS群と比べて、心摘出前のin vivoにおける平均動脈圧は、投与2時間および5時間後に低下する傾向を示し、心拍数に関しては若干低下する程度であった。心機能評価では、LPS群に比べてLPS+DEXにおいて有意差はまだないものの仮説通り心拍出量が高い傾向があった。平成19年度には標本数を増加し順行性摘出灌流心標本における心機能評価を行うと共に、血中サイトカイン、心筋組織TNF-αm-RNA測定などを行い、各群で比較検討する。
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