2006 Fiscal Year Annual Research Report
キメラの内軟骨性骨化モデルを利用した骨芽細胞分化における血管の役割解明
Project/Area Number |
18659539
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30243249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 万伸 大阪大学, 歯学研究科, 助手 (60346161)
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30273692)
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Keywords | キメラ / 内軟骨性骨化 / 血管 / 幹細胞 / 血管 |
Research Abstract |
骨格成長や骨折の治癒過程に見られる内軟骨性骨化では、分化した肥大化軟骨内へ血管が侵入して初めて骨が形成されるが、その際に、骨形成を司る骨芽細胞の分化には血管新生が不可欠であると考えられている。また、論文や我々の研究から、骨組織の血管周囲に既に骨原性細胞が存在し、さらに分化した後に骨を形成すると考えられるが、体の全身に分布する血管周囲に、無秩序に骨形成が起こる事はない。従って、「肥大化軟骨内の血管には、肥大化軟骨との相互作用の結果、骨芽細胞分化を引き起こす何らかの条件が備わっている」との仮説を立て、軟骨内骨化の骨芽細胞分化における血管の役割を検討し、肥大化軟骨内の血管と他の軟組織に見られる血管との違いを検討した。 まず、ニワトリの軟骨をヌードマウスの背部に移植し、ニワトリの軟骨内でマウスの血管周囲からマウスの骨芽細胞が分化するキメラの内軟骨性骨化モデルを作製した。その後、形態学的観察を行い、骨芽細胞の分化レベルや骨形成レベルを確認し、その各々のサンプルについて、遺伝子発現の解析を行った。すなわち、キメラモデルの組織サンプルからRNAを抽出し、ニワトリおよびマウスの生物種特異的なプライマーを用いてRT-PCRを行うことにより、骨芽細胞分化に必須のサイトカインの遺伝子発現を検討した。その結果、ニワトリの軟骨からBMP-2、マウスの血管からBMP-2、BMP-4、VEGF、FGF-2が高率に発現していることが分かった。 次に、まず血管内皮細胞株の培養系を用いて、BMP-2、BMP-4、VEGF、FGF-2の各サイトカインを培地に加え、血管内皮細胞が発現する遺伝子の変化を検討し、血管内皮細胞が骨芽細胞へと分化する可能性を検討した。
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Research Products
(5 results)