2006 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の発生過程における頭部中内胚葉の移動から最終分化までを再現できる系の開発
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18659542
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
今井 元 昭和大学, 医学部, 講師 (90291343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 久幸 昭和大学, 医学部, 助教授 (20317514)
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Keywords | 頭部中内胚葉 / 正中の前神経ヒダ / ラトケ嚢 / 腺性下垂体 / ラット全胚培養法 / 上顔面器官培養法 / 蛍光色素 / アデノウイルス |
Research Abstract |
本年度は、培養系の確立を行うため、下垂体のホルモン産生細胞の由来を確かめる研究を行った。 【目的】両生類や鳥類:では、正中の前神経ヒダ(ANR)が頭部中内胚葉を含む前腸に接着した後、ラトケ嚢(RP)を形成し、最終的に腺性下垂体に分化することが知られてレる。しかしながら、頭部中内胚葉が腺性下垂体の発生に寄与するかどうかについては知られていない。そこで、本研究では、ラット全胚培養法と上顔面器官培養法を組合せた長期培養法を確立し、正中ANR・RP・腺性下垂体のホルモン産生細胞の発生への頭部中内胚葉の寄与を明らかにすることを目的とした。 【方法】まず、E 9.5のラット胚の頭部中内胚葉やANRを蛍光色素/アデノウイルスを用いて標識し、長期培養法を行い、E15に相当する時期までの頭部中内胚葉の移動様式や分化運命を追跡した。さらに、E 9.5の頭部中内胚葉を除去し、長期培養を行い、ホルモン産生細胞の発生様式を調べた。 【結果】標識された頭部中内胚葉は、7体節期までには正中のANRと前脳の正中に接着・侵入し、30体節期にはRP周囲の間葉・視床下部腹側・RP後方のザーゼル嚢に寄与し、また、ACTH,TSH,LHの免疫反応に陽性であった。さらに、頭部中内胚葉を除去した場合には、RPの陥入・漏斗の伸長が阻害され、ACTH,TSH,LH産生細胞の分化も阻害された。 【結論】以上の結果から、頭部中内胚葉は腺性下垂体のホルモン産生細胞の発生と分化に寄与していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)