2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインシグナル抑制因子の新規機能の解析に関するRNA干渉法の応用
Project/Area Number |
18659543
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
花澤 重正 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60060258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舛広 善和 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 講師 (00336083)
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Keywords | SOCS / siRNA / RNAi干渉 / 相互作用蛋白質 |
Research Abstract |
私達は既にレプチンがLPS-Toll-like receptor 4-NF-kB活性シグナルを負に制御することの知見を得ている。この知見は細菌感染に関する抗炎症作用というレプチンの新たな機能を示唆するものである。しかし、この負の制御作用には内因性因子の関与がその蛋白質阻害剤などを用いた実験から示されていることから、この内因性の制御因子を明らかにすることは興味がある。この制御因子としてSOCS-1が関与していることの可能性を推察し、siSOCS-1を構築しその可能性について検討した。このアプローチはSOCSファミリーの新たな機能の検索する一つのアプローチであると考えている。そこで、本年度はヒトSOCS-1蛋白質ノックダウン細胞の作成法を確立することを目的とした。すなわち、ヒトSOCS-1特異的な塩基配列を設計し、そのsiRNAとその変異体を合成した。さらに、このsiRNAを細胞内に導入するための効果的な薬剤など最適な導入条件について検討し、以下の結果を得た。 ヒトSOCS-1の特異的塩基配列である5'-CUACCUGAGUUCCUUCCCCUU-3'を選択、設計し、この配列に基づき二本鎖SOCS-1siRNAとそmutant5'-ACUAUCUAAGUUACUACCCCUU-3'を合成した。陽性対照としてヒトβ-actinsiRNAを用いた。これらsiRNAをヒト胎児腎臓細胞であるHEK293細胞へ導入するに際し、polyfect(Qiagen)及lipofectamine2000(Invitrogen)を用いてその導入条件について検討した。なお、その導入効果はWestern blot法で調べた。すなわち、HEK293に無血清培養条件下でpolyfect又はpolyfect-amin2000を用いてβ-actinsiRNAのtransfectionを行い、径時的にβ-actin蛋白発現を調べることにより、その導入効率とsiRNAの阻害活性を評価した。その結果、poly-fectamin2000を使用するとsiRNA導入後48時間でその蛋白発現が著明に抑制されたが、polyfectではそのような効果は検知できなかった。また。HEK293に導入する際のβ-actinsiRNAの濃度について検討したところ、50pMで有意の抑制作用が認められた。この結果を基に、現在、SOCS-1siRNAの導入・発現抑制について検討中である。
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