2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の転移リンパ節診断へのエラストグラフィーの応用
Project/Area Number |
18659555
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
平 周三 Niigata University, 医歯学系, 助教 (70313525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 孝文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80198845)
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Keywords | 口腔癌 / 転移リンパ節 / エラストグラフィー / 超音波 / 組織弾性 / リンパ節 / 癌 / 転移 |
Research Abstract |
超音波装置EUB-8500(日立メディコ社製)の組織弾性イメージング(Real-Time Tissue Elastography)(以下エラストグラフィー)は、探触子を用いた用手圧迫による組織の変形の度合いを超音波画像上にカラースケールで表示し,組織の弾力性(硬さ)を客観的に把握することができる画期的な技術である。 このエラストグラフィーを利用し、口腔癌患者の転移リンパ節の診断のため、頸部リンパ節の硬さを可視化したエラストグラフィー画像と術後のリンパ節の病理組織像を対比し、エラストグラフィーによる転移リンパ節の診断基準の作成を目標とした。 18〜19年の期間で、口腔癌患者29人が対象となった。Tsukuba Elastography Scoreを参考に、リンパ節の描出パターンを分類した。1.ほぼ赤、黄、緑を呈す、2.赤、黄、緑の中に青が点在する、3.赤、黄、緑と青が同程度の範囲を呈す、4.ほぼ全体が青で一部に赤、黄、緑が点在する、5.周辺まで青を呈す、の5つに分類した。50個のリンパ節が評価可能であった。転移リンパ節はパターン3か4、5であり、非転移リンパ節はパターン1か2で、転移リンパ節と非転移リンパ節の組織弾性の差が明確に描出された。診断精度は、敏感度95%、特異度89%、正診率92%、PPV 88%、NPV 96%であった。また、評価できた最小の転移リンパ節は短径0.5cmであった。組織弾性イメージングは、高い敏感度、特異度と正診率を有しており、転移リンパ節と非転移リンパ節の鑑別において、従来の超音波検査法に補完的な役割を果たす可能性が示唆された。 現在、研究成果は日本頭頸部癌学会会誌に投稿中である。
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Research Products
(4 results)