2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18659558
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田沼 順一 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (20305139)
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Keywords | 舌癌感受性遺伝子 / QTL解析 / 候補遺伝子 / マイクロアレイ / 抗体アレイ / 診断用 |
Research Abstract |
我々はDark-Agouti系(DA)ラットは4NQO誘発ラット舌癌発生に高感受性を示し、一方Wistar/Furth系(WF)ラットは低感受性であり、これら両系統のラットを用いて舌癌発生に関連する5つのQTL(tongue squamous cell carcinoma1〜5:Tscc1〜5)を見出している。 今回、舌癌に関連する候補遺伝子を検索する目的で、抗体アレイを用いた解析およびこれらの中から有力な候補遺伝子の解析を行い以下のような結果が得られた。 DAラットのがん組織と無投与のDAラットの組織を用いてアレイ上の遺伝子発現を解析した結果、シグナル比が、3以下または1/3以上に減弱した130遺伝子、3以上または1/3以下に減弱した120遺伝子が見出された。なおシグナル比が2以上では200遺伝子、1/2以下では300遺伝子であった。 次にWFラットのがん組織と無処置のWFラットの組織を用いてアレイ上の遺伝子発現を解析した結果、シグナル比が3以上または1/3以下に減弱した遺伝子は、それぞれ100遺伝子と50遺伝子が見出された。なおシグナル比が2以上では118遺伝子、1/2以下では109遺伝子であった。 我々が以前より報告している舌癌感受性遺伝子に強く関連していると考えている5QTL(Significant level)に加えてSuggestivelevelに達している5カ所のQTLに対応する候補遺伝子のうち21遺伝子についても、それらのシグナル比を解析したところ、舌がん感受性を示すDAラットと感受性の極めて低いWFラットに関して、シグナル比が明らかに相反する遺伝子と同じ傾向を示す遺伝子など、遺伝子ごとにその変動は多様であったが、上に述べた抗体アレイによる解析結果も、QTL解析や別の研究で行ったマイクロアレイの結果を支持しているのではないかと考えている。 したがって、これらのデーターと比較して、これら舌癌感受性遺伝子の候補遺伝子による抗体アレイの解析結果は、実用化に移行できる診断用抗体アレイの作成が可能になった。
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