2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規の化学的歯質接着メカニズムの創出-プレ配置された水素結合の応用-
Project/Area Number |
18659562
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今里 聡 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (80243244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雄介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (60397693)
上山 憲一 大阪大学, 名誉教授 (80093376)
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Keywords | 歯質接着 / 化学接着 / 水素結合 / 修復材料 / グラスアイオノマー |
Research Abstract |
提出した計画書に基づいて実験を実施し,以下のような成果が得られた。 1.プレ配置した水素結合を含むポリマーの合成と被験材料の調製 Poly(ethylene-maleic anhydride)共重合体にmethoxyethyl amineを付加反応させてNH...Oをプレ配置したポリマーリガンドを合成し,さらに,これにIsocyanato ethyl methacrylateを付加して側鎖に二重結合を導入したポリマーを合成した。これらのポリマーと,NH...Oを含むmethacyloyl β-alanine, HEMA, TEGDMA,クエン酸,重合触媒をさまざまな比率で配合することにより五種の液成分を調製し,フルオロアルミノシリケートガラスと組み合わせて従来型およびレジンモディファイドグラスアイオノマーセメントを試作した。 2.硬化性の検討 試作した各種セメントの硬化性を評価したところ,従来型,光重合型にかかわらず,いずれも硬化体となるには30分以上の時間を必要とし,1時間以上経過した後も,市販のグラスアイオノマーセメントよりも硬度が低かった。 3.エナメル質に対する接着強さの測定 上記の実験で比較的硬化性が良好であった試作材料について,微小引張り接着試験によりヒト健全エナメル質への接着性を評価した。その結果,側鎖に二重結合を導入したポリマーリガンドに,methacyloyl β-alanine, TEGDMAとクエン酸を添加した液を用いた従来型硬化方式の試作セメントが最も高い接着強さを示したが,市販のレジンモディファイドグラスアイオノマーを上回るほどではなかった。この結果は,試作材料の硬化特性が不十分であることに起因しているものと考えられ,より硬化性にすぐれた材料を得るべく,現在,成分配合比や,触媒の添加法などについて再検討を加えている。
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Research Products
(1 results)