2007 Fiscal Year Annual Research Report
石灰化誘導性ホスホホリン類似リン酸化ペプチドを用いた新しいう蝕治療材料の開発
Project/Area Number |
18659563
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
斎藤 隆史 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 教授 (40265070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 善之 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (80405670)
伊藤 修一 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50382495)
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Keywords | 石灰化 / ホスホホリン / リン酸化 / ペプチド / 象牙質 / 再生 |
Research Abstract |
近年、う蝕治療がMinimal intervention(MI)に基づいた治療法に転換し、象牙質・歯髄複合体の可及的保存が求められるなか、我々のグループは生体親和性を示し短期間で強力に象牙質・歯髄複合体を誘導するような革新的な組織誘導材料および技術を開発することを最終目標としている。本研究では、新しいう蝕治療材料および治療法の確立をめざし、石灰化誘導活性を持つリン酸化ペプチドとコラーゲンとの複合体の作製、石灰化誘導活性の確認、象牙質・歯髄複合体誘導活性の確認およびリン酸化ペプチド・コラーゲン複合体の規格化を行うことを目的とした。平成19年度は、ホスホホリンのアミノ酸配列から石灰化誘導活性を有すると思われたリン酸化ペプチド(SSD)_4-(PO_4)および(SSD)_4-(PO_4)_2を合成して、コラーゲンに架橋剤を用いて結合させ複合体を作製した。同様にコントロールとして(SSD)_4を合成し、コラーゲンに架橋剤を用いて結合させ複合体を作製した。In vitro実験より(SSD)_4-(PO_4)_2が石灰化の可能性のあるペプチドであることが推測されたため、本複合体を用いてラットの歯に対して覆髄実験を行ったところ、明確な象牙質形成促進能は認められなかった。そこで、ヒトホスホホリンのN末端に位置するRGD配列を含むペプチドを合成して、歯髄細胞培養実験を行ったところ、歯髄細胞から象牙芽細胞への分化には、RGD配列を有するペプチドが必要であることが明らかになった。さらに、ホスホホリンは歯髄細胞の分化促進にあたって、その走化性を促進することが明らかになった。
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Research Products
(2 results)