2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーCVDコーティングの硬質レジン前装冠への応用
Project/Area Number |
18659566
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
依田 正信 東北大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (70005073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
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Keywords | CVDコーティング / 歯科生体材料 / 前装冠 |
Research Abstract |
本研究は、TBC (Thermal Barrier Coating)膜を、レーザーCVD (Chemical Vapor Deposition)を用いて生成し、これを歯科の補綴物である硬質レジン前装冠に応用するというコンセプトでスタートしたものである。本研究は、歯科界では応用されておらず、高強度レーザーを使用しているため高速、短時間で成膜できるということから着想に至ったものである。しかし、試行錯誤を繰り返した結果、使用金属である金パラジウム銀合金の融点の低さから、レーザーCVDによるTBCの成膜は不可能であったため、低温環境下でTBCを成膜できる方法を検討し、プラズマを触媒として用いたPlasma enhanced Chemical Vapor Deposition (PECVD)を成膜方法として研究を進めている。 現在、このPECVDを用いた本研究の進展状況は、TBCの最適な成膜条件を模索している段階である。ここで言う最適な成膜条件とは、膜の構造がレジンとの機械的嵌合を得られるような粗さを持った構造であること。また、オペークレジンの代替物となること、すなわち基板金属の色調を隠蔽するようなある程度の厚さ、色調を持ち合わせること。また基板である金属とその上に築盛するレジン双方との接着耐久性をもつことなどである。 そして、今挙げたような条件を持つ膜を成膜するためには、基板温度、原料温度、成膜時間、原料の量、成膜時圧力、プラズマ出力、キャリアガスの種類、ガスの量や比率など多くの項目で数値を決定しなければならない。現在、徐々にその数値を固定できつつある。 この成膜技術を歯科に応用するためには、接着、色調の2点が課題であるが、現在は色調の評価を行っており、未だ接着耐久性の評価にまでは至っていない。色調に関しては、ある程度の結果が得られてきており、更なる色調のコントロールを可能にするため検討中である。
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