2008 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性チタン合金表面酸化皮膜の生体安全性酸化チタンへの改質
Project/Area Number |
18659568
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
米山 隆之 Nihon University, 歯学部, 教授 (00220773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 隆夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90142736)
土居 壽 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (30251549)
|
Keywords | チタン合金 / 表面改質 / 酸化皮膜 / 組成分析 / 耐食性 / 生体安全性 |
Research Abstract |
1.耐食性評価:Ti-6Al-4V合金、Ti-6Al-7Nb合金およびTi-Ni合金の耐食性評価を0.9%生理食塩水および1%乳酸中における電気化学的試験によって実施し、電解処理による影響を検討した。その結果、いずれの試験溶液においても、電解処理を施したTi-6Al-4V合金およびTi-6Al-7Nb合金では、未処理のものと比較して、腐食電位が上昇するとともに不動態保持電流密度が著しく減少し、耐食性に顕著な改善が認められた。また、Ti-Ni合金では、電解処理により腐食電位がわずかに上昇し、不動態保持電流密度は減少した。未処理の試料では、カソード側に分極を行っても再不動態化は起こらなかったが、電解処理を施した試料ではカソード分極により電流密度は直ちに減少し、耐食性の向上が認められた。 2.表面構造解析:未処理および電解処理を施したTi-6Al-4V合金、Ti-6Al-7Nb合金について、AESにより表面酸化皮膜の組成と厚さについて検討した。その結果、未処理の試料では、最表面で0の強度は直ちに減衰し、TiおよびAlの強度は増加した。一方、電解処理を施した試料では、未処理の試料と比較して緩やかに0のスペクトルは減衰し、TiおよびAlの強度は緩やかに上昇した。酸化皮膜の厚さは、Ti-6Al-4V合金では未処理で4.0nm、電解処理後で159nm、Ti-6Al-7Nb合金では未処理で4.5nm、電解処理後で172nmと推定され、電解処理による酸化皮膜厚さの顕著な増大が認められた。 3.表面粗さ:SPMにより表面粗さを測定した結果、Ra値は未処理のTi-6A1-4VおよびTi-6Al-7Nb合金ではそれぞれ1.85±0.46nm、3.41±0.88nmであり、電解処理後ではそれぞれ4.88±0.78nm、5.05±1.98nmと、わずかに上昇した。
|