2007 Fiscal Year Annual Research Report
前装用硬質レジンの審美性を飛躍的に高める材料の開発
Project/Area Number |
18659580
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
倉茂 尚徳 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (20347090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 卓男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40113584)
嶺崎 良人 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70157577)
南 弘之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50244257)
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Keywords | 硬質レジン / 結晶性モノマー / グレージング |
Research Abstract |
現在まで、審美性向上を目的としてグレージング機能を持った硬質レジン材料の開発を行ってきた.融点が67〜77℃,43〜48℃,および34〜38℃で溶融する結晶性モノマーを,実際に用いられている硬質レジンに混和し,試料作製を行った.これらの試料において一定温度に加熱することで結晶性モノマーが硬質レジン表面へ溶融することは確認できたが,走査電子顕微鏡レベルで表面性状を観察したところ,結晶性モノマーの拡散は十分とはいえないものであった.そこで,さらに結晶性モノマーの細粒化を検討したが,それだけでは表面への均一な拡散には至らなかった.そこで,硬質レジンへの結晶性モノマーの分散性を向上させるためにアルコールやアセトンを溶媒として使用し,混和することで硬質レジンへの分散性の向上を図った.結晶性モノマーはアルコールに対して溶解しなかったが,アセトンに対しては完全に溶解した.そこでアセトンに溶解した結晶性モノマーにハロゲン照射による重合開始材を添加し,硬質レジンに混和した後,試料作製した.この方法により材料内への結晶性モノマーの拡散性は増し,表面への結晶性モノマーによる被覆はかなり向上した.しかしその反面,材料のフローが大きくなり前装冠作成時の形態付与における操作性が落ちることが予測され,改善が必要となった.現段階で結晶性モノマーの拡散,及び前装用レジンの表面被覆への実用性はかなり高まった.今後臨床応用するには,機械的性質,材料の操作性,審美性などの各問題をさらに検討し,改良していく必要がある.今後,機械的性質向上のためフィラーの含有量なども検討していく予定である.
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Research Products
(4 results)