2007 Fiscal Year Annual Research Report
合成ペプチド修飾による感染防御システム・インプラントの創製
Project/Area Number |
18659581
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
吉成 正雄 Tokyo Dental College, 歯学部, 准教授 (10085839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝 清隆 (財)癌研究会, 癌研究所蛋白創製研究部, 部長 (40196415)
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
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Keywords | 生体材料 / 歯科インプラント / インプラント周囲炎 / 抗菌性 / 合成ペプチド |
Research Abstract |
細菌感染がPeri-implantitis(インプラント周囲炎)の原因の一つであることは広く知られており、インプラント表面に感染防御システムを構築することは重要である。しかし、従来の抗生物質による療法は本質的に感染予防を対象にしていない。このような情況のもと、本研究は、抗原性の問題を惹起しない抗菌性合成ペプチドを開発し、それをインプラント表面に固定し機能させることにより細菌感染を予防し、Ped-implantitisに対して防御システムを持つインプラントを創製することを目的とした。 本年度は、唾液中に存在する抗菌性ペプチドHistatin5とLactoferricinを合成するとともに、チタン表面に特異的に結合するチタン結合ペプチドをファージ提示法よりコンビナトリアルエンジニアリングの手法を用いて取得し、このチタン結合ペプチドと抗菌性ペプチドを結合した共役ペプチドを作製した。これらのペプチドのチタンに対する結合特性を水晶発振子マイクロバランス(QCM-D)法によって検討した結果、チタン結合ペプチドを共役した抗菌ペプチド(minTBP1+His5,minTBP1+Lfcin)は有意にチタン基板に吸着し,非特異的ペプチドをブロッキングしても吸着量が多くなることが確認された。また、これらのペプチドのP.gingivalisに対する抗菌活性を検討した結果、共役ペプチドを吸着したチタン板上では未処理チタンと比較し,明らかにP.gingivalisの活性を抑制することが明らかとなった。
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