2006 Fiscal Year Annual Research Report
SAM処理チタンインプラントの炭酸含有アパタイト化学沈着コーティング法の創製
Project/Area Number |
18659583
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助教授 (60076057)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
飯島 まゆみ 朝日大学, 歯学部, 助手 (80164838)
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Keywords | チタンインプラント / 表面改質 / 自己組織化膜(SAM)処理 / 炭酸含有アパタイト被覆 / バイオミメティック / 骨伝導能 / 成長因子担体 / 骨誘導性 |
Research Abstract |
チタンインプラントにバイオミメティック法(化学沈着法)を駆使し、生体適合性に優る炭酸含有アパタイトをコーティングする手法を確立することを主目的とした。洗浄後のチタン基盤をVUV(λ=172nm)照射し表面をOH終端化し、その後ビニルトリメトキシシランを単分子成膜(自己組織化単分子膜、SAM)した。次にSAM末端基を発煙硫酸ガスに暴露しスルホ基を導入したものを準安定リン酸カルシウム溶液(炭酸イオン(0〜30mM)を含む)に浸漬して、成膜表面に水酸化アパタイト(HA)および炭酸含有アパタイト(CA)を化学沈着した。浸漬溶液の過飽和度が高いと均一沈殿が生じ、基盤上には析出しないもしくは、しても不均一となったため、過飽和度はリン酸八カルシウム(OCP)に僅かに過飽和となるよう調整した。浸漬溶液に炭酸イオンが添加されると、その量に比例してコーティング層は均一となり、コーティング層はより微細な結晶で構成されることがSEMおよびEP融観察で確認できた。37℃の浸漬で1日、長くとも2日後にはX線回折で析出相が確認でき、一回反射型FTIRにより炭酸基由来の吸収ピークも確認でき、その高さ(面積)は浸漬溶液に添加される炭酸イオン量に比例することが確かめられた。例えば、30mM炭酸水素ナトリウムを添加した浸漬溶液(水酸化アパタイトに対する過飽和度は全ての浸漬溶液で同一になるように溶液組成を調整した)では、5mM添加に比べ格子炭酸イオン量は3倍強となることがわかった。この系では0mM添加では浸漬溶液のpHを調整するのが極めて困難であったが、初期pHを7.0にすると析出相はOCPとなることが示された。0mM添加の場合、過飽和度を一定にして、初期pHを7.1、7.2、7.3、7.4にした浸漬溶液を調整したが、少なくとも3日以内では析出相は確認できず、初期pHは7.0とし5mM添加の系での析出相をHA、30mM添加での析出相をCAとし比較検討をしている。
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Research Products
(5 results)