2006 Fiscal Year Annual Research Report
不死化歯由来細胞株と生体内吸収性材料を用いた歯の再生医療用スキャフォールドの開発
Project/Area Number |
18659588
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
宮本 洋二 秋田大学, 医学部, 教授 (20200214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 邦夫 九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (90202952)
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 助教授 (20272049)
永井 宏和 秋田大学, 医学部, 講師 (50282190)
高野 裕史 秋田大学, 医学部, 助手 (30282172)
中田 憲 秋田大学, 医学部, 助手 (50400510)
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Keywords | 歯 / 再生医療 / バイオマテリアル / スキャフォールド / 吸収性材料 / セラミックス |
Research Abstract |
平成18年度に実施した研究の主要な3項目の結果を下記に示す。 1)吸収性リン酸カルシウムセラミックス製試料の作成と生体内動態の検討 カーボネイトアパタイト(CO_3-AP)およびアパタイトセメント(AC)によるディスクおよびチャンバーの作成を行った。CO_3-APは、水酸化カルシウムを炭酸化し、その後のリン酸化に使用するリン酸溶液のpHを調節することによって、炭酸基含量の異なるCO_3-APの作成に成功した。その結果、炭酸基量が17%、14%、9%のCO_3-APを作成できた。実験動物の骨内および皮下に移植したところ、比較的良好な組織親和性を示すと共に、骨内、皮下共に吸収することが判った。特に、骨内では骨置換性であることが明らかになった。 2)吸収性リン酸カルシウムセラミックスが培養歯由来細胞の分化に及ぼす影響 当科で樹立したエナメル芽細胞をCO_3-AP、ACおよびハイドロキシアパタイトディスク上で培養し、同細胞の増殖およびエナメル蛋白関連遺伝子の発現状態を検討した。3種類のリン酸カルシウムは、エナメル芽細胞の未熟なマーカー蛋白であるAmelogeninの発現を減弱し、成熟マーカーであるEnamelinを新たに発現させることから、これらのセラミックスがエナメル芽細胞の分化を促進させることが示唆された。なお、不死化歯乳頭細胞の遺伝子発現には変化がなかった。 3)マウス象牙芽細胞株の樹立 歯はエナメル芽細胞と象牙芽細胞の相互作用によって形成される。当科ではマウスエナメル芽細胞株を樹立しているが、間葉系細胞はヒト由来のものしか保持していない。そこで、エナメル芽細胞株の樹立と同じ方法で、マウス象牙芽細胞株を樹立中である。樹立中の細胞が、dentin sialophosphoproteinとdentin matorix protein Iを発現することを確認している。
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