2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚サイドポピュレーション細胞(エスビー細胞)による歯の再生技術の確立
Project/Area Number |
18659592
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 雅規 The University of Tokyo, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (70361623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 泉 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (30221039)
渡辺 信和 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (10334278)
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Keywords | SP細胞 / 幹細胞 / 歯髄 / 再生 / 上皮間葉相互作用 |
Research Abstract |
本年度は歯胚組織から単離したSP細胞が歯の組織再生に有用であることを検討したが、残念ながら、SP細胞とMP細胞において有意な差は得られなかった。 はじめに、歯胚組織から単離したSP細胞群とメインポピュレーション細胞群(MP細胞)をin vitro(Int, End. Journal2007)およびin vivoにおいて比較・解析した。in vitroにおける実験は、SP細胞群とMP細胞群をFACSにてソーティングした後に歯胚上皮細胞と共培養しALP活性の比較・解析を行ったが、有意差は得られなかった。歯関連遺伝子群に関してもRT-PCR法を用いて比較解析を行ったが、著名な差は得られなかった。次に、in vivoの移植実験による歯の再生能の評価をおこなった。ソーティングしたSP細胞とMP細胞を培養して増殖させた後に、歯胚上皮細胞と担体の中で再度組み合わせた。これらのSP細胞とMP細胞を組み合わせた担体を、ヌードラットの腹部大網に移植した。再生組織の評価は、過去の研究結果において、培養歯胚上皮細胞との組むあわせ移植により、移植4週後にエナメル質が再生することから(Cell transplantation 2007)、移植4週後に再生組織を取り出し、組織化学的および免疫組織化学的に評価することを予定レた。しかし、移植後取り出した移植体は1-2mmと小さく、かっ、肉眼的に硬組織形成が認められなかった。また、組織学的に観察したが、硬組織形成は確認できなかった。そこで、培養したSP細胞とMP細胞群をさらに、SP細胞とMP細胞にソーティングで分けることを試みたが、培養・継代するとSP細胞の存在が確認できなかった。したがって、SP細胞は単離した歯髄組織内には存在するものの、継代培養すると、その形質を喪失することが示唆された。さらに、移植にはある程度の細胞数が必要であり、歯髄組織内に移植必要SP細胞が存在しないことから、今回の実験においてSP細胞の歯の形成能を評価することは困難であった。
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Research Products
(5 results)