2006 Fiscal Year Annual Research Report
3次元増殖培養装置と非侵襲評価装置の機能を有する軟骨再生ための新規足場素材の開発
Project/Area Number |
18659593
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 啓之 東京大学, 医学部附属病院, 淮教授 (00251299)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (20359623)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (30344451)
|
Keywords | 軟骨再生 / 軟骨細胞 / 足場素材 / 三次元培養 / 増殖 / 分化 / 生分解性ポリマー |
Research Abstract |
本研究では、口腔・顎顔面の軟骨再生医療を広く普及させるため、吸収性ポリマー製中空糸をもちいて 1.最終細胞密度が10^7cells/mlに到達する軟骨細胞の3次元増殖培養システム 2.圧迫強度10MPa、気孔率95%め高強度、高気孔率の立体格子型足場素材 3.光源ファイバーと受光ファイバーからなる再生組織非侵襲評価法 を検討し、3つの項目が同時に実現できるような足場素材システムの構築を試みる。 本年度は、まず、吸収性ポリマー製中空糸による軟骨細胞増殖培養システムを検討した。 高密度細胞増殖(10^7cells/ml)を実現する軟骨細胞培養条件の設定として、I型コラーゲンゲル濃度を0.15〜3%まで変化させて、コラーゲンゲル内における軟骨細胞の生存率、遺伝子発現、あるいは最終的な到達可能細胞密度を実測した。その結果、増殖効率は0.3%程度のゲル濃度が効率よく、逆に1%のゲル濃度を超えると軟骨マーカー(II型コラーゲンなど)などの発現低下や生存率低下が起こることが明らかとなった。その他、増殖を促進するため、ゲル硬化度を修飾するIII型コラーゲン、細胞接着性を強化するIV型コラーゲン、ラミニン、あるいはPuraMatrix^<TM>などの配合を検討した。III型コラーゲンの配合は、恐らくintegrinを介した基質シグナルの促進によって、増殖を促進する傾向があった。一方、PuraMatrix^<TM>など配合は、コラーゲンのゲル化を阻害し、十分な三次元環境を提供することが出来なかったせいか、著しい増殖効果はみられなかった。 吸収性ポリマー製中空糸の移植用足場素材への応用に関しては、吸収性ポリマーの検索をおこなった。材料としてPLLAPGA、PLGA、PLCLなどで足場素材を作製し、細胞・ハイドロゲル混和物を投与して、再生軟骨を作製した。再生軟骨を6週齢雄ヌードマウスの背部皮下に移植し、移植後の再生軟骨の生化学的、形態学的、力学的特性を評価した。その結果、他の素材に比べ、PLLA足場素材を使用した再生軟骨は、長期にわたりポリマーが残存レ、軟骨滑沢性の低下が見られた。
|