2006 Fiscal Year Annual Research Report
無血清再集合培養系を用いたマウスES及びヒト骨髄間葉系幹細胞からの顎骨・歯胚誘導
Project/Area Number |
18659598
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 哲治 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 康人 広島大学, 病院・医員 (90363085)
明石 靖史 広島大学, 歯学部, 教務員 (50397949)
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Keywords | マウスES細胞 / 骨髄幹細胞 / アフリカツメガエル / TGFβ / アクチビン / 軟骨誘導 / 顎顔面領域 / 無血清培養 |
Research Abstract |
マウスES細胞を用いて以下の検討を行った。 方法:フィーダー細胞を用いずLIFを含む無血清ES7培地を用いて未分化性を維持したマウスES-D3細胞を,中胚葉組織誘導能を持つ因子で処理、あるいは腹側化因子で処理を行い、それぞれ胚葉体(embryoid body, BB)を形成させた。続いて、これらEBを再集合させ、さらに培養を行った後、EBを組織学的ならびにRT-PCR法を用いて解析した。 結果:4週間培養後の再集合体には、アルシアンブルーならびにII型collagen陽性の軟骨組織を認めた。また、頭部に発現するOTX-2ならびにneural crest形成に関与するAP-2の発現を認めたことから,この再集合体は頭部の位置情報を持つことが明らかとなった。 以上のことから、本培養系は,種々の器官発生メカニズムの解明ならびに今後の再生医療に向け、有用なモデルとして発展できると考えられる。 我々はこれまでにTGFβスーパーファミリーメンバーであるアクチビンAとアフリカツメガエル胚の予定外胚葉領域(アニマルキャップ:AC)未分化細胞を用いた再集合培養系で、顎顔面領域の軟骨組織を効率的に誘導できることを報告した。本再集合培養系は、アクチビンA処理細胞と未処理細胞の混合比率を変えることにより、脊索や内胚葉組織への分化も誘導可能である。本研究では再集合培養系を用いて、頭部組織形成に関与する遺伝子の検索をおこなった。 (方法)再集合培養系において、顎顔面領域の軟骨組織を形成する条件と、頭部組織より後方の脊索を誘導する2群の再集合体からRNAを抽出後、XenopusDNAマイクロアレイ法を用いて、顎顔面領域に発現する遺伝子の検索を行ったところ、neural crest形成に働くと考えられる遺伝子群を同定した。これら遺伝子群の中にaru遺伝子の上昇を認めた。(結果)aruについて、in situ hybridization法を用いてその発現を検索したところ、眼、鯉弓、顎軟骨、歯胚に発現していることが明らかとなった。また、aruのAntisense-Morphorino oligoを作成し、8細胞期にマイクロインジェクションを行ったところ、インジェクション側において、脳組織、眼球の形成不全ならびに顎骨の形成不全を認めた。(考察)以上より、aru遺伝子は、アフリカツメガエルの発生期において、顎顔面領域の形態形成に重要な働きをすることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Zooxanthellamide D, a Polyhydroxy Polyene Amide from a Marine Dinoflagellate, and Chemotaxonomic Perspective of the Symbiodinium Polyols.2007
Author(s)
Fukatsu T, Onodera KI, Ohta Y, Oba Y, Nakamura H, Shintani T, Yoshioka Y, Okamoto T, Lohuis MT, Miller DJ, Kawachi M, Ojika M.
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Journal Title
J Nat Prod. Mar 23;70(3)
Pages: 407-411
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