2006 Fiscal Year Annual Research Report
おとり遺伝子を用いた変形性関節症への新規遺伝子治療法の展開
Project/Area Number |
18659603
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹之下 康治 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (50117157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 浩晃 九州大学, 歯学研究院, 助手 (90254630)
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Keywords | 変形性関節症 / 基質破壊酵素 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
細胞培養実験により各種サイトカイン刺激が与えるuPA,MMPsの発現状況の解析 ヒト顎関節軟骨組織より分離培養した関節軟骨由来細胞を使用して,TNFα刺激がuPA,MMPs産生に与える影響を遺伝子学的ならびにタンパク工学的に検討した.その結果,TNFα刺激によりヒト顎関節組織由来の軟骨細胞におけるuPA,MMP-1の発現がいずれも亢進する事を解明した. サイトカイン刺激による基質破壊酵素産生に関与する転写因子の解明 ヒト顎関節組織由来に関節軟骨細胞を前述のとおりTNFαで刺激すると,転写因子NF-kBならびにSp1の活性化がみられることを,バンドシフトアッセイにより確認した.これらの転写活性は3時間まで継続して観察され,6時間後では消失していた. おとり遺伝子導入条件の確立 NF-kBならびにSp1を標的とした合成オリゴヌクレオチド(おとり遺伝子)を,HVJ-リポソーム法を用いて,関節軟骨細胞に100%導入できる条件を確立し,蛍光顕微鏡による観察やフローサイトメトリーにて確認した.導入したおとり遺伝子は遺伝子導入後3時間までは細胞質内に局在していたが,6時間後では核移行タンパクの用により核内に移動していた.また,ビオチン標識おとり遺伝子を同様にHVJ-リポソーム法にて関節軟骨由来細胞に遺伝子導入すると,14日間は核内に発現していることが観察された. おとり遺伝子によるuPA,MMP-1発現の制御 NF-kBならびにSp1に対するおとり遺伝子をHVJ-リポソーム法によりヒト顎関節由来軟骨細胞に遺伝子導入し,関節軟骨由来細胞におけるTNFαで誘導されるuPA,MMP-1産生亢進を抑制できることを解明し,おとり遺伝子導入療法は変形性関節症の進行を抑制する有効な遺伝子治療となりうることが示唆された.
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[Journal Article] Expression of tumor-associated RCAS1 and its possible involvement in immune evasion in oral squamous cell carcinoma2006
Author(s)
Toyoshima, T., Nakamura, S., Kumamaru, W., Kawamura, E., Ishibashi, H., et al.
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Journal Title
J Oral Pathol Med 3
Pages: 361-378