2006 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群患者の自己抗体を用いた組織障害蛋白遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
18659610
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (40203476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 稔 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50064671)
上松 節子 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (80271378)
高橋 昌宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (90340059)
松浦 隆 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10298408)
堂東 亮輔 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (40329470)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 自己抗体 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
現在までシェーグレン症候群におけるリンパ球の浸潤・増殖やγグロブリン産生機構については研究されているものの、唾液腺導管上皮の萎縮や破壊を誘導する自己抗体とその抗原(組織障害抗原蛋白)の由来、さらに抗原提示細胞(APC)の種類とメディエーターなどは明らかにされていない。シェーグレン症候群の病態を克服するためには、治療の分子標的となる組織障害抗原蛋白とその抗原提示機序を明らかにすることが必須である。そこで本年度は、1.シェーグレン患者の自己抗体の精製、2.自己抗体が認識している組織障害蛋白の唾液腺組織内での局在の検討を行った。インフォームドコンセントを得たシェーグレン症候群患者の血液を採取して血清を得た。抗血清をProtein-Aビーズカラムに通してγ-グロブリンの精製を行った。精製された抗体を免疫染色に供した。唾液腺組織を凍結またはパラフィン包埋し、厚さ6μmの連続切片をクライオスタットまたはミクロトームで作製した。一次抗体としてシェーグレン患者抗血清精製液をProteinAで精製したIgG抗体を用い、二次抗体としてHRP標識anti-human IgG biotinylated antibodyを用いて免疫組織染色を行った。また、その結果、1.シェーグレン症候群患者の血清中には、唾液腺導管上皮細胞を認識する抗体が存在する、2.唾液腺導管上皮細胞の細胞質と核に抗原が存在することが明らかとなった。また、組織障害抗原蛋白をコードする遺伝子のクローニングを行う予定のため、実験方法の確からしさを確認するために唾液腺由来細胞を用いてATP binding cassette transporterの発現を細胞生物学的に検索し、細胞質蛋白、膜蛋白、核蛋白の検討を行った。今後はこれら分子生物学的手法を用いてクローニング予定である。
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Research Products
(2 results)