2007 Fiscal Year Annual Research Report
矯正的歯の移動における結合組織成長因子の役割-アポトーシスによる歯槽骨の改造-
Project/Area Number |
18659614
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253219)
黒田 晋吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40332796)
湊 雅直 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40200076)
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Keywords | 結合組織成長因子(CTGF) / アポトーシス / 骨リモデリング / 機械的刺激 / 歯の移動 |
Research Abstract |
結合組織成長因子(CTGF)は、in vivoにおける機械的刺激において、骨細胞、骨芽細胞で遺伝子発現することが知られているが、その役割は明らかではない。一方、in vitroにおける機械的刺激によって、CTGFがヒト腎線維芽細胞で発現し、アポトーシスを誘導したとの報告がされている。本研究は、マウス実験的歯の移動モデルを作成し、in situハイブリダイゼーション法を用いて歯周組織におけるCTGF mRNAの発現を検討した。また、TUNEL染色及びISOL染色にてDNAの断片化を経時的に検索し、歯周組織に発現するCTGFが歯槽骨リモデリング時の細胞のアポトーシスに関与している可能性を検討した。 機械的刺激による骨リモデリング時に、CTGF mRNAは骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞に発現しており、CTGFが骨のリモデリングに関与していることが強く示唆された。CTGF mRNAを発現する骨細胞は、歯の移動開始から12時間後まで増加し、その後1日から21日まで経時的に減少した。すなわち、CTGF mRNAは歯の移動の機械的刺激が加わった初期において、歯槽骨圧迫側の骨細胞で一過性に多く発現することが明らかになった。また、歯槽骨圧迫側におけるTUNEL陽性骨細胞は、歯の移動開始から12時間後まで増加し、その後1日から21日まで経時的に減少した。この変化は骨細胞におけるCTGF mRNAの発現様相とほぼ一致していた。さらに、歯の移動12時間後では、歯槽骨圧迫側にISOL染色陽性を示す骨細胞が多く認められることから、骨細胞の細胞死はアポトーシスによると考えられる。以上のことから、実験的歯の移動時の骨細胞において、CTGFが発現しアポトーシスを誘導することによって、骨リモデリングに関与している可能性が示唆された。これらの結果は国際誌に投稿中である。
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Research Products
(7 results)