2007 Fiscal Year Annual Research Report
MRIの磁化移動効果を応用した咀嚼筋疲労の新しい定量評価法の確立
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18659617
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮脇 正一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 重明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00136889)
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00404484)
山崎 幸之助 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員研究員 (40363650)
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Keywords | Magnetization Transfer Contrast(MTC) / 咬筋 / 浮腫 / 筋硬度 / MT ratio / 顎関節症 / visual analog scales(VAS) |
Research Abstract |
咀嚼筋にクレンチングなどの過剰な負荷を与えると、筋肉に炎症性変化が起こり、疲労感や疼痛が生じるとされているが、咀嚼筋の病態変化を非侵襲的に定量評価する方法はなかった。そこで、MRI撮像法のMagnetization Transfer Contrast(MTC)法を用いた評価法の開発を試みた。 (1)実験的負荷による咬筋部の炎症性変化の観察 対象は正常咬合を呈する成人男女20名(平均年齢24.7歳)。安静時にMTC画像撮影を行い、次に、10%MVC(maximal voluntary clenching)で10分間噛締めを行わせ、負荷直後と3、6、9時間後に撮影を行った。各画像から咬筋部のMT ratio〈(Mo-Ms)/Mo,Mo:MTCパルス印加前の信号強度、Ms:MTCパルス印加後の信号強度〉を求めた。また、撮影と同時期に、咬筋硬度の測定とvisual analog scales(VAS)による自覚症状の評価を行い、MT ratioと比較した。左右咬筋部のMT ratioは男女とも負荷直後に有意に減少し、3〜6時間後に回復した。また、咬筋硬度は負荷直後に有意に増加し、3〜6時間後に回復し、MT ratioの変化と同期する傾向が認められた。VAS値は個人差が大きかった。以上から、MT ratioの減少は咬筋内の炎症性変化(浮腫)を表していると考えられた。 (2)顎関節症患者における咬筋部の炎症性変化の観察 顎関節部や咀嚼筋部の疼痛およびクリッキングを呈する顎関節症患者50名(平均年齢23.3歳、13〜81歳)に対し、安静時のMTC画像撮影を行い、咬筋部のMT ratioを求めた。患者のうち、咬筋部の疼痛を呈する群では、MT ratioが正常咬合者より有意に低かったが、クリッキングのみの群では正常咬合者と差がなかった。 以上から、MTC法は咀嚼筋の炎症性変化の評価に有効であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)