2007 Fiscal Year Annual Research Report
エンヴェロープベクターとsiRNAを応用した歯周組織再生療法
Project/Area Number |
18659621
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
近藤 尚知 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70343150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部附属医院, 助教 (50323689)
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Keywords | 遺伝子導入 / セメント質 / 歯根膜 / エンヴェロープベクター / ヘルトビッヒ / 抜歯窩 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エンヴェロープベクターとsiRNAとの併用により、歯根膜またはセメント質の機能を抑制する遺伝子のsiRNAを効率よく導入し、その抑制遺伝子のノックダウンにより、歯周組織の再生を促すことにある。近年注目されている遺伝子治療のひとつとして、small interference RNA(sIRNA)による遺伝子ノックダウンがありその効果が期待されている。一方、ウィルスの内容物を不活化し、膜相当部のみを使用するエンヴェロープベクターは、導入効率の高さは維持したまま、ウィルスベクターの危険因子を排除した画期的な遺伝子導入ツールである。上記の手法を併用することにより、安全性の向上とともに、遺伝子導入のさらなる効率化を図ることが可能となると思われる。 1遺伝子発現の組織特異性の確認:申請者がこれまでに行ってきた歯根膜、セメント質の遺伝子比較解析の結果をもとに、In-situ hybridyzationにより、ヘルトビッヒ上皮鞘に特異的に発現する遺伝子を確認した。 2エンヴェロープベクターの遺伝子導入効果の確認:ベクターの導入効果を検証するために、BMP-2をエンヴェロープベクターに包括し、下顎抜歯窩に導入し、その効果を抜歯窩の治癒すなわち骨形成を検索することで評価した。 軟エックス線写真、マイクロCTなどのエックス線により評価をしたところ、実験群とコントロール群間において必ずしも有意な差を認めなかった。エンヴェロープベクターの導入効率を再評価するため、培養細胞を用いて、その導入効率を既存の遺伝子導入法(燐酸カルシウム法、リポフェクタミン法)と比較した。その結果、エンヴェロープヴェクターの導入効率は他の方法よりも高くなかった。これらの結果から、遺伝子導入法としてIn vivo JET PEIを使用して遺伝子導入を試みることにし、現在準備が整いつつある。
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Research Products
(3 results)