2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の抗癌剤による職業性曝露とDNA損傷に関する研究
Project/Area Number |
18659633
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学部, 教授 (40289765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 勝敬 秋田大学, 医学部, 教授 (80157776)
嶽石 美和子 秋田大学, 医学部, 助手 (70375236)
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Keywords | 看護師 / 職業性曝露 / 抗癌剤 / DNA損傷 / コメットアッセイ |
Research Abstract |
抗癌剤の職業性曝露が看護師のDNA損傷に与える影響を検証するため、血液を採取しコメットアッセイによる白血球中のDNA損傷レベル測定と質問紙調査を行った。質問紙の内容は抗癌剤の取り扱いと接触状況((1)抗癌剤を取り扱っている期間(2)抗癌剤取り扱い頻度(3)取り扱う場面:抗癌剤の溶解や点滴セットの準備時の防護策、取り扱っている抗癌剤の薬品名、抗癌剤治療中の患者の排泄物の取り扱い状況(4)抗癌剤取り扱いのガイドライン、マニュアルの有無)、抗癌剤以外のDNA損傷の可能性のある因子((1)年齢(2)婚姻状況(3)喫煙習慣・喫煙歴(4)コーヒーの摂取(5)内服薬の有無と種類(6)疾病(7)主観的健康観、(8)サプリメントの摂取の有無と種類(9)最近の感染症の既往(10)最近の予防注射の経験(11)運動の習慣(12)X線検査など放射線に接触する機会(13)勤務状況(14)飲酒習慣と一日あたりの摂取量)であった。 対象者は、抗癌剤を過去6ヶ月以上取り扱っている女性看護師、比較対照群は抗癌剤を過去6ヶ月以上取り扱っていない女性看護師、女性事務職員で、北東北の3つの病院に勤務する合計179名から参加協力を得た。なお本研究は秋田大学医学部倫理委員会の承認を得て行った。 コメットアッセイはTREVIGEN^<【○!R】>のプロトコルに従い実施した。ついで蛍光顕微鏡によるコメット画像の撮影、コメットアナライザV.1.5によるコメット画像の自動解析を行った。またDNA損傷に影響を与えることが考えられる血液中のヘモグロビン、γ-GTP、ALT、ASTを測定した。現在これらの結果について統計解析を実施中である。なお本研究で用いたコメットアッセイ法は抗癌剤による職業性曝露が予測される薬剤師など他の医療職のDNA損傷の観察においても適用可能であることが確認された。
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