2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患を持つ学童期の小児のレジリエンスに関する研究
Project/Area Number |
18659651
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 美紀子 Hirosaki Gakuin University, 看護学部, 講師 (40312508)
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Keywords | 看護学 / ストレス / 発達心理学 / 小児 |
Research Abstract |
【目的】今年度は前年度終了できなかった研究内容も含め,慢性疾患を持つ小児のレジリエンスの構造を明らかにすることを目的とした。 【調査内容】(1)学童期の子どものストレスとレジリエンスの調査:学童期(9〜12歳)の子どもを対象に、作成した尺度を用いて日常的なストレスとレジリエンスについて測定し、ストレスとレジリエンスとの関連を分析する。(2)慢性疾患を持つ子どものレジリエンス調査:学童期(9〜12歳)の慢性疾患により通院している子どもへの質問紙調査。(3)慢性疾患を持つ小児のレジリエンスの概念枠組みの構築。(1)および(2)の調査に先だって,前年度の研究で検討したレジリエンスを構成すると考えられる個人内特性要因,リスクおよびレジリエンスの強化双方に作用すると考えられる外的要因,ライフイベントの継続的な影響のそれぞれについて,縦断的に測定することが重要であると考えたため,病気体験の意味づけの中から検討する面接を実施した。以下にその結果を示す。 【結果】小児期の入院体験とその意味づけに関する面接調査を実施。対象:18〜26歳の大学生。短期入院と長期入院の経験者に大別された。その結果,以下の点が明らかになった。(1)病気体験の受けとめと体験の意味づけには,本人のパーソナリティなど個人内特性要因の影響が大きい。(2)病気体験およびそれに付随する様々な出来事についての認知と,現在直面する課題や困難に対処する上での考え方や行動には関連が認められる。(3)レジリエンスの強化要因として,とりまく周囲の人々のサポートの影響が大きい。 現在今回の結果をふまえてさらに面接事例を積み重ね,質問紙調査の結果と統合して慢性疾患患児のレジリエンスの構造のモデルを構築中である。
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