2007 Fiscal Year Annual Research Report
治療過程における意思決定とストレスによって変化する免疫状態に関する研究
Project/Area Number |
18659652
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柏倉 栄子 Tohoku University, 医学部, 准教授 (60282026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 敏子 東北大学, 医学部, 准教授 (90271957)
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Keywords | 治療過程 / 意思決定 / ストレス / 免疫状態 |
Research Abstract |
研究が患者を対象とした質問紙調査,面接調査,不安検査,唾液測定であり,対象および研究の倫理性を高めるために,所属施設および研究対象施設の倫理委員会に倫理審査申請書を提出し,研究の承認を得た。その後,判断の主体者となる意思決定者が,どのような選択をするのかという点と意思決定の過程を明らかにするために,外来通院患者の受診および診察過程について参加観察を実施した。その後,不安とストレスがどのように変化するか見るために,外来通院患者を対象として,医師による診察の前と後で不安尺度(STAI)を使用した不安の度合いの測定と,ストレスによって変化する免疫状態の指標となる唾液アミラーゼの測定を実施した。 結果,医師による診察の前と後の状態不安得点(不安を喚起する事象に対する一過性の状況反応)は,診察前よりも診察後に得点が下がるパターンと,診察前よりも診察後に得点が上がるパターンがみられた。状態不安得点と同様に,診察前後のアミラーゼ値も,診察前よりも診察後に値が下がるパターンと,診察前よりも診察後に値が上がるパターンがみられた。そして,診察の前と後の状態不安得点の変化パターンとアミラーゼ値の変化パターンは一致する場合と一致しない場合があった。つまり,外来通院患者が医師から診察を受ける前と後の心理的指標と生理的指標は必ずしも一致しないことがわかった。また,これらの変化には,意思決定の寄与因子として,症状出現の有無およびその症状の不快の程度による影響が考えられた。
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