2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己調整理論を用いた外来における気管支喘息をもつ学童への療養行動教育の効果
Project/Area Number |
18659656
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉浦 太一 Gifu University, 医学部, 教授 (20273203)
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Keywords | 自己調整理論 / 気管支喘息 / 学童後期 / ライフスキル教育 / 自己管理 |
Research Abstract |
平成20年3月〜6月にかけて再度協力者を募り,本研究で作成したプログラムを使用して平成19年度と同様のライフスキル教育を実施した。今回の協力者は3名(うち介入群1名)で合計6名となった。教育後2〜4週間に1度小児科医院受診時に自己管理調査表と面接ガイドラインを用いた個別面接と目標を持って自己管理を行えるような介入を行った。同時に平成19年度協力者にも面接および介入を継続した。小型ピークフローメーターの値,内服・吸入の状況を子どもが記入した喘息日記から読みとり,介入群(3名:4年生1名,5年生1名,6年生1名)には子どもと一緒に自己管理状況の見つめ直しを行った。介入を行わない群(3名:4年生女児1名,5年生1名,6年生1名)には,自己管理状況の把握のみを行った。両群共に3か月に1回自己効力感を測定した。録音内容と日記に記載された自己管理状況とを合わせて介入の効果などを分析した。 介入群の1名は,6年生になってから薬の内服やピークフロー測定の忘れが減少し発作も減少した。特に中学受験以降は非常に良く継続ができていた。しかし,5年生になった1名は反対に継続が困難になり,子どもの自己調整を促進する働きかけも効果がなく,面接内容から部活動など学校生活の影響の大きさが示唆された。1週間ごとの自己評価は,その週の薬やピークフロー測定の忘れの程度と連動していた。しかし,介入の有無に関わらず子どもたちの自己効力感に経時的な変化はなかった。自己管理継続の介入をした場合でも家に帰ると忘れてしまうことが多く,具体策の実現に向けた工夫をする必要性が示唆された。本研究では,協力者数の関係で介入効果を明らかにすることは困難であったが,定期的な面接を嫌がらず積極的に話しをする姿から,継続的に子どもと関わることの重要性を感じた。中学生になると生活は大きく変わることが予測されるため,面接を継続する必要性がある。
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