2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん末期患者の苦痛症状緩和における代替・相補療法(温灸・吸角)に関する研究
Project/Area Number |
18659657
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大西 和子 Mie University, 医学部, 教授 (30185334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 真弓 三重大学, 医学部, 准教授 (40249355)
吉田 和枝 三重大学, 医学部, 講師 (40364301)
後藤 姉奈 三重大学, 医学部, 助教 (80420389)
山田 章子 三重大学, 医学部, 助教 (90437103)
岡本 実保 三重大学, 医学部, 助教 (30376313)
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Keywords | 代替相補療法 / 統合医療 / 苦痛・症状緩和 / がん末期患者 / 温灸療法 / 看護師の関わり |
Research Abstract |
本研究は、がん末期患者の緩和困難な苦痛症状に、温灸による看護介入を行い、苦痛症状軽減を図ることを目的としている。平成18年度は温灸療法の介入手順、質問用紙およびデータ収集用紙等を確定した。平成19年度は2施設(A大学病院とB緩和ケア専門病院)において看護介入実験を行った。平成20年度は上記2施設に加え、C一般病院でもデータを収集し、データ分析・まとめを行った。結果を以下に述べる。 1. 対象者は50名(年齢63.10±12.31歳、男性・女性いずれも25名)で、A病院入院中患者が29名、B緩和ケア病院入院中患者が9名、C一般病院入院患者が12名であった。昨年度と同様の理由により、本年度も対象数を増やすことは難しかったが、介入方法は前年度の形式を継続した。 2. 15分間の温灸療法の前後で、血圧、脈拍、呼吸数などに低下をもたらす場合もあった。これは温灸だけではなく、15分間の安静の効果も影響していると考える。主観的な症状である「気分」は3日目の温灸の前後および、連続した5日間の温灸の前後で有意に改善の傾向をもたらした。温灸の前後で「気分」の改善を認めたことから、特定の看護者が温灸という看護介入を通して一定期間関わることが、患者の心理側面や実存的側面に影響したとも考えられる。QOLについては、「体調」、「睡眠」において有意差が認められた。また全身状態(Performance Status; PS)の悪い患者に効果が認められる傾向があった。 3. タキサン系抗がん剤の副作用によるしびれの改善が認められた事例を経験し、温灸による温熱刺激がしびれの症状緩和に効果がある可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)