2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能障害患者の症状に対する家族の認知と理解を促進するための介入研究
Project/Area Number |
18659665
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
粟生田 友子 Niigata College of Nursing, 看護学部, 教授 (50150909)
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Keywords | 高次脳機能障害 / 家族 / 症状理解 / 障害認知 / 看護介入 |
Research Abstract |
本研究は、高次脳機能障害患者の複雑な症状に対して家族が的確に症状を理解し、障害を認知し、在宅での介護へとつなげるために必要な教育的介入を開発することを目的としている。 平成19年度は、平成18年度において高次脳機能障害の家族の理解は、その高次脳機能の障害の症状により、理解の様相が複雑に異なり、症状を絞り込む必要があると考えられたため、研究方法を再検討しながらすすめた。 対象は、知能および注意の障害を残した患者の家族とし、データ収集時期は、脳卒中発作後できるだけ早期に変更した。家族が面会に来る場面を捉え、了解を得て参加観察し、その後にインタビューを行った。 2事例を約2ヶ月間追跡した参加観察の結果、患者の家族は、患者の症状を理解する際に、「予測困難」「対応困難」の2つの困難を体験していることが分かった。「予測困難」に関しては、「症状の確認を繰り返す」ことを通して、「問題発生場面を予測する」という作業をおこなっており、「対応困難」に関しては「生活上の危険場面を探る」「コミュニケーションが通じているのか確かめる」「理解できているのか確かめる」「本人の認識の程度を確かめる」という確かめ行動を起こしていた。また、インタビューでは、症状理解のための行動とあわせて、家族の感性が語られ、「正体がつかめない不安」「患者の変容への戸惑い」「予測できない怖さ」などが語られた。 今後、看護師が用いている高次脳機能障害の症状理解のための実践的行動を分析し、これらから、患者家族への教育的介入の内容を検討し、介入を進める。
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