2006 Fiscal Year Annual Research Report
暴力を受けた女性のメンタルヘルスと看護にむけたフェミニスト・アクションリサーチ
Project/Area Number |
18659670
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
立岡 弓子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70305499)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
高橋 由紀 名古屋大学, 医学部, 助手 (80346478)
|
Keywords | 暴力 / 女性 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
女性への暴力に対して、一般女性が抱く感情・思考について明らかにする、フェミニスト・アプローチの予備的研究を実施した。 一般女性100名に対し、Semantic Differential Method=意味的差異の検出法を手順に従い、「暴力に対するイメージスケール」の作成を行った。性成熟期にある一般女性100名に、暴力に対する感情をイメージした形容詞語句を収集し、63語句の形容詞が挙げられた。挙げられた形容詞について広辞苑・参考書から正反対2対の語句を使用して、7段階のリッカート方法のスケールを作成した。63語句の女性への暴力に対する感情や思考を表現した形容詞対の回答分布から、著しい偏りのある項目(7段階評価のため平均値2以下と6以上の項目)の6項目を削除し、56項目の形容詞からなるスケールを作成した。得点が高ければ高いほどNegativeな感情があることを示すスケールである。項目分析により、各項目間の相関行列に相互に負の相関関係を有する項目のないことを確認した。56項目全体の信頼関係(cronbach's α係数)は0.71であり、内的一貫性を確認することができた。さらに、因子分析の結果、「暴力に対する力量性」「暴力に対する評価」「暴力の被害性」に関する因子が抽出された。累積寄与率からも3因子の妥当性については実証された。現在、基準関連妥当性の検証の尺度について検討中であり、今後妥当性についても検討していく予定である。 ッ年度は、「暴力に対するイメージスケール」を使用し、被害女性や看護師に対してフェミニスト・アプローチを実践し、スケール調査から見出された暴力に対する意識を還元していくことで、エンパワーメント状態の評価からメンタルヘルスや看護スキルに関する介入研究につなげていく予定である。
|