2007 Fiscal Year Annual Research Report
暴力を受けた女性のメンタルヘルスと看護にむけたフェミニスト・アクションリサーチ
Project/Area Number |
18659670
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
立岡 弓子 Nagoya University, 医学部, 准教授 (70305499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
高橋 由紀 名古屋大学, 医学部, 助教 (80346478)
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Keywords | 暴力 / メンタルへルス / フェミニスト / アクションリサーチ |
Research Abstract |
性暴力・暴力被害女性への看護ケアの実態と被害女性に対する看護職の意識について明らかにすることを目的に研究に取り組んだ。 東海地方の夜間救急外来・女性外来・産婦人科外来・外科外来に勤務する助産師・看護師150名を調査対象とし、「暴力・性暴力の被害女性の受診時の事例経験」「暴力・性暴力の被害女性への看護介入の実態と看護を行う際に抱く思い」「暴力・性暴力の被害女性への看護職の役割意識」について、自記式質問紙調査を用いた横断調査を行った。職種別では、看護師89名・保健師1名・助産師8名であり、看護職経験年数17±7.4年、平均年齢は39.2±8.1であった。認定看護師や専門看護師の資格を有する者はいなかった。 98名(有効回答率65%)の看護職から回答が得られた。 約56%の看護職が、暴力被害女性の受診を経験しており、科別では救命救急外来の受診が最も多かった。看護ケア内容では、「診察や検査の介助」「治療介助」が半数を占めていたが、同時に女性の話を傾聴するという精神面へのケアも行えていた。しかし、継続して女性のフォローを行える看護体制がとられていない現状が明らかとなった。女性に対する看護の役割については「役割がある」と認識している者は半数程度であり、「難しい」と困難感を抱いている臨床現場の看護職の思いが明らかとなった。また、女性に対して抱く思いについては「暴力の現実への困惑」「暴力被害者へのケアの限界」L暴力を受けたことに対する女性としての衝撃」の3因子が抽出された。暴力被害を受けた女性への看護現場に立会いながら、看護職は同じ女性としてその現場に動揺し、行うべき看護について思考錯誤していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)