2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児期における双子言葉(宇宙語)現象の発生予防とフアミリーケアの研究
Project/Area Number |
18659679
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 和生 大阪大学, 医学研究科, 教授 (70142594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾ノ井 美由紀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324788)
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Keywords | 双生児 / 言語獲得 / 言語発達 / 宇宙語 / 乳幼児発達 / 社会適応 |
Research Abstract |
双生児の言葉の発達が単胎児に比較して遅れることの原因のひとつとして、双生児にみられる独自の言語体系(Twin Language,宇宙語)が注目されている。これまでの我々の研究により、Twin Languageの発生と双生児の社会経験との関係が明らかとなったが、幼児期のTwin Languageの有無が、その後の双生児の発達に与える影響については、未解明な部分が多いのが現状である。今報告では、幼児期のTwin Languageの有無と双生児の親密性、学童期の社会適応の関係について明らかにすることを目的にした。 [方法]ツインマザースクラブの会員の親2,733名を対象に自己記入式質問紙を郵送し、回答のあった1,428名(52%)への5年後の追跡調査として、追跡可能であった958名に自己記入式質問紙を郵送し、516名から回答を得た。このうち、学童期(6歳〜12歳)の216名を分析対象とした。双生児の親密性については、「双生児意識」(琢磨他、2001),社会適応については「TS式幼児・児童性格診断検査」、(高木他、1997)を用いて評価した。統計学的分析には、共分散構造分析を用いた。 [結果]幼児期の双生児の親密性は、直接的には学童期の社会適応に影響せず、幼児期のTwin Languageの有無や言葉を使わない遊びといった言語的要因を介して学童期の社会適応に影響することが明らかとなった。 [考察]これまで、ほとんどのTwin Languageが幼児期に自然に消失するため、介入の必要性については議論されることが少なかった。しかし、本研究により、幼児期のTwin Languageの有無と学童期の社会適応との関係が示唆された。このことから、Twin Languageを話す双生児については、幼稚園や保育園への通園を促すなど母語の言語発達を促進させる関わりが必要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)