2006 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護におけるスタンダードプリコーション遵守に関する検討
Project/Area Number |
18659685
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福井 幸子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (00325911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 満子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (20315542)
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Keywords | 感染管理 / 訪問看護 / 質問紙郵送法 / インタビュー |
Research Abstract |
X県内の全訪問看護ステーション83施設を対象に、スタンダードプリコーション(以下SP)遵守の実態と影響要因に関する質問紙調査を実施した。質問紙の内容は、《手洗い場面》《手洗い方法》《手拭きの方法》《手袋装着場面》《マスク着用場面》《ガウン着用場面》《ガウンの種類と着用方法》《廃棄物処理の対象物》《廃棄物処理方法》《器材の取り扱い》に関する計87項目に対して、実施の程度4段階で回答し、その中で、"実施していないが必要と思う"と回答した者を対象に、実施しない理由を、選択肢法と自由記述で回答を得てSHELLモデルで分析した。また、針刺し事故の実態について、事故の回数や遭遇した場面、使用器材について回答を得た。調査結果は、SP遵守にばらつきがあり、看護師の感染性物質曝露や感染性物質伝播の危険性が明らかとなった。SP遵守の影響要因として、ケア提供場面である利用者の住居環境や利用者や家族と看護師の関係性の問題、ケア継続の困難性、物品購入による経済的負担、病院における指導内容とのギャップ、スタッフ・管理者のSPに対する意識・知識不足、スタッフの健康管理の不備、物品の供給不足等が挙げられた。次に、SP遵守が困難であった実施内容に焦点をあて、感染予防策にSPを導入し活動している訪問看護ステーションのケア実践場面の観察と、その管理者並びに感染管理のエキスパートへのインタビューを実施した。ケア場面では、防護用具・手洗い用具の使用と利用者毎の交換、ステーションでの管理等、感染性物質による曝露や伝播予防が実施されていた。インタビューにより、管理者の感染に関するリスクの認識やSPについての知識が、スタッフの健康管理や感染管理のための物品供給・体制作りに影響していることが示唆された。今後、管理者へ感染管理に関する知識を投入した結果、スタッフにどのようなSP遵守行動の変化が生じるのかを調査する必要がある。
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