2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域に居住する成人期の知的障害者のための(簡易版)ヘルスアセスメントモデルの開発
Project/Area Number |
18659687
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金 壽子 首都大学東京, 健康福祉学部, 准教授 (60279776)
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Keywords | 知的障害者 / ヘルスアセスメント / フィジカルアセスメント / 健康診断 / 検査 |
Research Abstract |
平成18年度は、ヘルスアセスメント項目のなかでバイタルサインズ(体温、脈、血圧)チェック、身長・体重チェック、およびフィジカルアセスメントについては頭尾法で実施することを想定し、頭部-頸部-胸部-腹部-筋・骨格-神経系の手順で視診・触診・打診・聴診項目を整理した。また、日本の一地域でモデル事業として実施されていた発達障害者のための人間ドックを見学し、地域に在住する成人期の知的障害者に対して、人間ドックとして病院で検査を実施している際に、どのように対象者に説明を行い、理解を得て診察を行っているか、示唆を得ることができた。具体的には、「(1)事前に視覚資料(VTRや写真)を提示し自宅で何度もリハーサルを実施してもらうことで診察を受け易い状況を作る、(2)人間ドックで使用する物品を対象者が自宅で体験できるように資料と一緒に事前に渡す、(3)検査が一つ一つに口頭ではなく視覚資料を使って説明する、(4)検査を終えたことで達成感が持てるように視覚化できる資料を活用する、(4)検査できなくても対象者に病院に嫌な印象を持たないように対応する」の5点である。 検討事項として、(1)フィジカルアセスメントについては呼吸器系のアセスメントに関して「息を止める」「大きく息を吸う」という概念が理解できない対象者の場合、呼吸音の聴取が困難になる可能性があること、(2)問診については家族が観察可能な症状については確認できるが、本人の主観については、自己の意思を主張できない対象の場合確認が困難であること、(3)社会的アセスメントについては、生活習慣病と関連する項目について焦点化し項目を選定する、の3つが挙げられた。
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