2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18680004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増原 英彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (40280937)
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Keywords | アスペクト指向プログラミン / 結合点モデル / ポイントカット / プログラム解析 / アスペクトの干渉 / 型システム |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の4点に要約できる。 (1)新しいアスペクト指向プログラミング(AOP)言語の基礎モデルを提案する準備として、現在のAOP言語に関する研究動向について言語処理系や基礎モデルを中心に調査を行った。この内容はコンピュータソフトウェア誌のチュートリアル記事として公表されている。 (2)新しいAOP言語の基礎モデルの一つとして、現在主流のAOP言語よりも粒度の細かい結合点(join point)を基にした言語モデルを考案し、言語処理系の試作、従来モデルに対する記述力の比較、意味モデルの構築を行った。この成果は国際会議Asian Symposium on Programming Languages and Systemsにおいて発表されている。 (3)従来型のAOP言語モデルについてさらなる考察を行い、ポイントカット言語に対する新しいコンパイル方式を提案し、コンパイラの作成と公開を行った。これによってプログラム解析を容易に利用することができるため、従来型のAOP言語の記述力を大きく向上させることができる可能性を拓いた。この成果はこの分野で最も権威のある国際会議Aspect-Oriented Software Developmentおよびコンピュータソフトウェア誌において発表されている。 (4)AOP開発の際に問題となる、アスペクトの干渉と分割コンパイルの可能性について理論的な考察を行った。前者に関しては、表現力の高いポイントカットでは単純には解決できない種類の干渉が生じ得ることを明らかにし、それを解決するような方策の一つを提案した。後者については、アスペクト記述のみからポイントカット記述の誤りを発見することが部分的に可能であることを明らかにし、型システムによって検出する方向性を示した。 これらの成果は、Foundations of Aspect-Oriented LanguagesおよびAspects, Dependencies and Interactionsという国際ワークショップにおいて発表されている。
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