2008 Fiscal Year Annual Research Report
微細プロセスにおいても製造容易なコンフィギャラブルプロセッサ
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18680005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 和淑 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (70252476)
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Keywords | プロセッサ / コンフィギャラブル / ばらつき / FPGA |
Research Abstract |
今年度は, チップ内およびチップ間ばらつきの利用により, 再構成デバイスの速度を向上させる手法を提案した. 再構成デバイスでは「製造後に回路の構成を決定する特性」がある. 本研究では再構成デバイスのこうした特性に着目し, 配置配線を最適化することで, チップ内のばらつきを利用した速度向上を実現する. さらにチップ間ばらつきも考慮した速度向上手法を検討した. チップ間ばらつきは各チップのばらつき量に応じて, 電源電圧割当てを行うASV(Adaptive Supply Voltage)により補償し, 歩留まりを高める. またパス遅延に応じて2系統の電圧の割り当てるDual-VDD手法をASVと併用することで, 速度向上を実現する. 各手法の効果を評価するために, 全チップの平均遅延値の改善量を定量的に見積りを行った. チップ内ばらつき利用手法では, チップ内ランダムばらつき成分σrandを用いると, 1.47σrand以上の改善が見込まれる. チップ間ばらつき利用手法では, 全チップのチップ間成分σD2Dを用いると, 0.5σD2Dの改善する. Dual-VDD手法では, 平均の遅延が18%削減する. チップ内およびチップ問ばらつき利用手法は, ばらつきの拡大とともに効果が高まり, Dual-VDDは適用効果が特に高い. 実際の回路に即した評価を行うため, 回路実装から遅延・消費電力の計算まで仮想的に再現可能な回路モデルを構築した. チップ内ばらつき利用手法でσrand, チップ間ばらつき利用手法で0.5σD2D, Dual-VDD手法で17.8%の平均遅延値が改善され有効性が確認できた. 全手法を適用した場合では, 平均遅延値では23.7%の改善, 標準偏差も0.75σD2D削減でき, 各手法を統合的に用いることで高い速度向上効果が実現できた.
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Research Products
(3 results)