2006 Fiscal Year Annual Research Report
実トラフィックを利用した高効率高帯域ルータアーキテクチャの構築と評価
Project/Area Number |
18680006
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西 宏章 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00365470)
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Keywords | ハイブリッドスイッチ / VoIP / P-Gear / S-Gear / インターネットバックボーンルータ / スイッチアーキテクチャ / ネットワークプロセッサ |
Research Abstract |
今年度成果として、まず、ネットワークプロセッサアーキテクチャ(P-Gear)について、HLC(Header Learning Cache)方式の応用としてVoIP処理を高速化するNPについて検討を行っている。VoIPはRTPを用いて通信するが、再粒度パケットが連続してコアルータに集中するため、VoIPはP-Gearに適したアプリケーションといえる。さらに、VoIPではRTPに先行してSIPによる情報交換を行うため、SIPの情報をもとにキャッシュのインジェクションや外部メモリへのスワップ、キャッシュエントリのデリートを行う機構を新規提案し、評価を進めている。別の応用として、将来ルータはセマンティックルーティングを行う必要があると考えており、XPathの様にセマンティックをXMLベースで記述し応用する方向に向かうと考えられる。XMLの処理は一般にルータにとって重い処理であり、広帯域ルータでは採用が難しがP-Gearにより効率よく処理できると考え適用を検討している。 もう一つの柱がスイッチアーキテクチャである。ユビキタスなど通信形態が多様化する結果、インターネットバックボーンルータは大容量細粒度通信への対応が迫られており、ルータアーキテクチャにおいてブレイクスルーが必要となっている。そこで本報告では新しいアービタS-Gear、及びQoSを提供するS-Gearルータの提案を行い従来法との比較を行った。提案したS-Gearは階層木構造を有し、MINであると共にクロスバと完全互換で動作する。また、各層毎でパイプライン処理を行うことにより細粒度大容量通信を実現することが可能である。ハードウエア記述言語を用いた評価により、従来のクロスバとアービタでは不得意とされていたパケット長が1という極端な細粒度通信において提案手法では従来手法に比べて3倍程度の最大スループット向上が見込めることを示した。
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