2006 Fiscal Year Annual Research Report
画像群の周波数領域上での構造化に基づく多次元映像メディア技術の研究
Project/Area Number |
18680019
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
児玉 和也 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教授 (80321579)
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Keywords | 映像メディア / 画像処理 / 3次元画像 / 映像生成 / 焦点 / 周波数解析 / 任意視点 / 自由視点 |
Research Abstract |
本年度は主として焦点ぼけ構造を有する多次元映像情報の構成のため理想的な撮像装置やこれを活用した最も基本的な撮像法の検討を行った。また、このように構成した多次元映像情報から原理的に再構成可能な全ての画像についてその生成手法を明らかにした。まず、焦点ぼけ構造を有する多次元の映像情報を構成するには、非球面レンズ型の撮像装置等を用い、連続的に焦点合わせを変更しながら画像群を取得する。近年、携帯電話等でも採用されている非球面レンズに代表されるようにレンズ製作技術が非常に向上しており、本研究に最適な焦点ぼけの性質を持つレンズを試作することが可能との知見を得た。これにより、理想的な焦点ぼけ構造を構成し、多次元映像情報を利用した様々な実システムの前提となる基本手法について厳密な検証を行った。このような撮像装置は、光学的な工夫を行うことにより多眼画像群の撮像も可能とするものである。本研究の提案する、周波数領域上における多次元映像情報の表現形式は、焦点ぼけ画像群、多眼画像群のどちらからも構成可能であり、その相互変換など本提案手法の高い機能性を実現するためにも、両面からの検討を行った。 以上のように最適な条件で取得された焦点ぼけ画像群をより高次元の周波数領域上に展開し実際に多次元映像情報を構成した。この多次元映像情報を用いることにより、シミュレーションと同様、実画像においても理論通り自由に視点、レンズの絞り、焦点合わせを変更した画像が生成できることを検証した。焦点ぼけ画像群の取得の際には、焦点合わせを変動させていく間隔や撮像時の絞り等を決定する必要があるが、これも様々に変更し、取得された多次元映像情報から生成される画像の品質や生成できる画像の多様さ、視覚化範囲を評価して最適な撮像条件を明らかにした。これらは次年度以降、実システムを構築する上で重要な知見となった。
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