2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの心理生理反応の定量的計測による聴覚の動的処理機能解明
Project/Area Number |
18680025
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
添田 喜治 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (10415698)
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Keywords | 聴覚 / ラウドネス / ピッチ / 周波数分解能 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ヒトの情報処理メカニズムを解明し,ヒトの心理・生理反応に立脚した環境評価方法を確立することである.今年度は以下の三点に関して検討を行った. 1.両耳の周波数分解能に関連する聴覚誘発脳磁界反応 音楽や音声の知覚に重要な周波数分解能,特に両耳の周波数分解能を聴覚誘発脳磁界反応により調べた.二つの純音を用い(一つの純音をそれぞれ片耳に提示),中心周波数と周波数差を変化させた.解析の結果,周波数差が中心周波数の10%以下の場合には周波数差にかかわらず脳磁界活動強度は一定で,周波数差が中心周波数の20%を超える脳磁界活動強度は周波数差の増大に伴い増加した.これは,両耳の周波数分解能が,中心周波数の約10〜20%であることを示している. 2.音の周期成分に関わるラウドネス 刺激音に繰り返しリプル雑音を用いて,刺激音に周期成分の含まれる度合がラウドネスに与える影響を調べることを目的としてラウドネス(心理的な音の大きさ)の測定を行った.実験の結果,周波数が125Hz〜1kHzに相当するピッチを有する音に関して周期成分が多く含まれるほどラウドネス尺度値が上昇する傾向が見られた. 3.ピッチとピッチの明瞭性に関連する聴覚誘発脳磁界反応 繰り返しリプル雑音を用いて,ピッチ(音の高さ)とピッチの明瞭性を変化させて脳磁界反応を調べた.解析の結果,ピッチの知覚限界が脳磁界活動強度に反映されること,ピッチの明瞭な刺激とそうでない刺激とで大脳の処理部位が異なることがわかった.
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Research Products
(12 results)