2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経シナプス・アクティブゾーンの形成とその機能発現におけるリン酸化機構の解析
Project/Area Number |
18680032
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大塚 稔久 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (40401806)
|
Keywords | シナプス / アクティブゾーン / CAST / ELKS / Bassoon |
Research Abstract |
神経シナプスアクティブゾーンは神経終末の膜直下に存在する比較的電子密度の高い領域である。機能的には、神経終末からの神経伝達物質の放出を時間的にかつ空間的に制御している。したがって、膨大な数のシナプス間のネットワークに文えられた脳の高次磯能を維持するために、必要不可欠のシナプス装置とも考えられている。私たちはこのアクティブゾーンに存在する新規のセリン・スレオニンリン酸化酵素を見出し、その機能解析を行っている。 SADキナーゼの基質の候補として,bassoon, piccoloなどのアクティブゾーン蛋白質があげられる。SADキナーゼによるリン酸化部位としてそれぞれ、3箇所のセリン残基を同定した。それぞれをアラニンに置換するとリン酸化が消失するので、特異的なリン酸化部位であると考えられる。 本年度はさらに、SADキナーゼのリン酸化アッセイ系の改良をおこなった。また、すでにSADキナーゼがいまひとつのアクティブゾーン蛋白質であるRIM1をリン酸化することを見出している(Inoue et al.,2006.Neuron)。しかし、どのセリンもしくはスレオニンがリン酸化されるかは解明できていない。候補となるセリン・スレオニン残基に変異を導入した各種コンストラクトを用いて、特異的なリン酸化部位の同定を行っている。 また、私たちの研究グループは新規のアクティブゾーン蛋白質としてCASTおよびELKSを見出している。SADキナーゼがこれらの蛋白質をリン酸化する可能性は高く、これらの全長をカバーする組み換え蛋白質の作製を行った。
|
Research Products
(6 results)