2007 Fiscal Year Annual Research Report
小脳における感覚情報統合のインビボホールセル記録と2光子イメージングによる解析
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18680034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
喜多村 和郎 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (60423159)
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Keywords | 小脳 / プルキンエ細胞 / 感覚入力 / ホールセル記録 / 2光子励起イメージング |
Research Abstract |
小脳皮質の投射ニューロンであるプルキンエ細胞は、様々な感覚器からの入力を統合し、運動制御や運動学習に重要な役割を果たしている。本研究では、単一プルキンエ細胞が感覚入力をどのように統合しているのかを明らかにするために、マウス個体の小脳においてホールセル記録と2光子励起カルシウムイメージングを用いて解析を行う。今年度においては、まず、これらの実験を容易に行うための技術を確立した。従来、動物個体においてホールセル記録を行うことは極めて難しい実験であったが、独自に考案した、ニューロンを2光子励起顕微鏡によって可視化する方法を用いることで、記録の成功率と安定性を飛躍的に向上させることに成功した。また、ニューロン一個ずつを直接可視化してその種類を決定することが可能であるため、本研究で目的とする小脳プルキンエ細胞から選択的にホールセル記録を行うことが可能になった。これにより、動物個体における小脳プルキンエ細胞からのホールセル記録とカルシウムイメージングを安定して行うことが可能になった。また、プルキンエ細胞樹状突起におけるシナプス入力をカルシウムイメージングによって可視化するために、高速でイメージングを行うことが可能な共振ミラーを用いたスキャナを構築した。来年度においては、この高速イメージング装置を顕微鏡に組込むことで、プルキンエ細胞の樹状突起におけるシナプス入力をカルシウムイメージングにより可視化することを試みる予定である。
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