2007 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターを用いた新しい遺伝子機能解析システムの構築とその応用
Project/Area Number |
18680036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊川 正人 Osaka University, 微生物病研究所, 准教授 (20304066)
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Keywords | レンチウイルス / 遺伝子組換え / 胎盤 / トランスジェニック / 遺伝子破壊 |
Research Abstract |
レンチウイルスベクターはHuman Immunodeficiency Virus(HIV)由来のレトロウイルスベクターの一つであるが、特筆すべき利点として、非分裂期にある細胞にも効率良く感染できる特徴や、遺伝子発現が抑制されにくい特徴を併せ持つ。本研究では、動物個体レベルで遺伝子機能を解析するツールとして、レンチウイルスベクターの有用性について検討することを目的としている。これまでにレシチウイルスベクターを受精卵に感染させると非常に効率よくトランスジェニックマウスを作製できること、さらにその応用として18年度は胚盤胞期胚にウイルスベクターを感染させることで胎盤特異的な遺伝子発現システムを開発した。 19年度は栄養膜幹細胞からジャイアント細胞に分化する過程で特異的に発現上昇・低下する遺伝子をマイクロアレイやin silico検索により選び出し、10種類以上について胎盤特異的な過剰発現を行った。胎盤形成や胚発生に及ぼす影響を組織解剖学的に調べたが、残念ながら現時点では胎盤形成に必須な遺伝子は見つかっていない。 またレンチウイルスベクターが組み込まれたトランスジェニックマウスで、組み込まれた遺伝手座を近傍のゲノム配列をPCRにより増幅することで同定することに成功した。19年度は20系統を調べて14系統で導入部位を特定、そのうち10系統が内在性遺伝子を破壊していることを確認している。つまり受精卵にレンチウイルスベクターを感染させると効率良くランダム遺伝子破壊動物を作製できることを証明した。
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Research Products
(3 results)