2008 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツにおける非定常流体力の積極活用を目指した多目的空力最適化
Project/Area Number |
18680045
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
瀬尾 和哉 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (60292405)
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Keywords | スポーツ / 非定常流体力 / 多目的最適化 / ラグビー / サッカー / スキージャンプ / バレーボール / セパタクロー |
Research Abstract |
本研究課題では、スポーツにかかわる非定常流体力を風洞実験により測定し、遺伝的アルゴリズム(GA)による多目的最適化により、新たなスポーツスキルやスポーツ用具の開発を目指している。本年度は、ラグビーハイパントの多目的最適化、無回転サッカーボールの非定常空力特性、スキージャンプのテイクオフ局面、及びセパタクローの空力特性に関して、実験的・計算的に調べた。以下、揺れるラグビーのハイパントの最適制御空間探索について、具体的に説明する。 揺れるハイパントに関して、揺れ回数(前進方向&横方向)とハングタイムを目的関数とした多目的最適化を実行し、目的関数と制御変数のトレードオフを自己組織化マップにより可視化した。その結果、以下を明らかにした。 i) ハングタイムを長いと揺れ回数は少なくなり、ハングタイムが短いと揺れ回数が多くなった。つまり、ハングタイムと揺れ回数にはトレードオフがある。 ii) ハングタイムを長く、かつ揺れ回数を少なくする為には飛行経路角を大きくすべきである。ハングタイムを短く、かつ揺れ回数を多くする為には飛行経路角を小さくすべきである。 iii) 揺れ回数を多くする為には、ボール回転速度を大きくすべきである。これは、回転速度が大きいほど、迎え角や縫い目角が短時間で変化し、その結果、横力係数が頻繁に正負に符号を変えるためである。 iv) ハングタイムを長くする為には、ボール長軸を鉛直軸に一致させ、抗力が小さくなる姿勢で蹴り出すべきである。
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