2006 Fiscal Year Annual Research Report
パフォーマンス向上および障害予防の観点からみた腱組織の可塑性に関する研究
Project/Area Number |
18680046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 啓太郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (70323459)
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Keywords | トレーニング / 加齢 / 筋腱複合体 |
Research Abstract |
本研究では、ウエイトトレーニング(WT)とPTが、筋腱の力学的特性、神経筋活動特性および跳躍能に及ぼす影響を比較検討し、PTにおける跳躍能増加の機序を探ることを目的とした。10名の成人男性が、足底屈トレーニングを12週間実施した。各被検者の左右脚について、WT(80%1RM)とPT(40%1RM)にランダムに振り分け、WTは10回×5セット、PTはホッピングおよびドロップジャンプを各々10回×5セットとした。その前後で、最大筋力、筋体積(MR法より)、アキレス腱ステイッフネス(超音波法より)、3種の跳躍高(SJ、CMJ、DJ)を測定した。最大筋力と筋体積の増加率については、WTとPTでほぼ同程度であった。アキレス腱ステイッフネスは、WTで有意な増加を示したがPTでは変化がみられなかった。3種の跳躍高は、WTではSJのみ有意な増加がみられたが、PTでは3種ともに有意な増加が認められた。跳躍中の底屈相における筋活動水準(筋電図積分値)は、WTではSJのみ有意な増加がみられたが、PTではすべての跳躍で有意な増加が認められた。以上の結果より、ウエイトトレーニングによる反動を伴う跳躍(CMJ、DJ)で有意な跳躍高の増加がみられなかった原因としては、ポジティブな効果(筋力および活動水準の増加)とネガティブな効果(腱ステイッフネスの増加により反動効果減少)の両者が相殺しあって、その結果としてCMJとDJの跳躍高に変化がみられなかったことが推察された。一方、プライオメトリックトレーニングによる跳躍能の増加は、腱ステイッフネスを増加させないで筋機能を改善する事に起因している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)