2007 Fiscal Year Annual Research Report
パフォーマンス向上および障害予防の観点からみた腱組織の可塑性に関する研究
Project/Area Number |
18680046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 啓太郎 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 助教 (70323459)
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Keywords | トレーニング / 血液量 / 超音波 / 女性 / ヒト生体 |
Research Abstract |
(研究1)3ケ月間の筋力トレーニングおよびデイトレーニングにおける腱組織の力学的および代謝的特性の変化 被検者10名を対象にして3ケ月間の筋力トレーニング(膝伸展運動)および3ケ月間のデイトレーニングを実施した。3ケ月のトレーニング後に、最大筋力、筋の活動水準、筋体積、腱ステイッフネスはいずれも有意な増加を示した。しかし、3ケ月のデイトレーニング後では、筋体積、腱ステイッフネスはトレーニング前まで戻っていたが、最大筋力および筋の活動水準はトレーニング前まで戻っておらず効果が残存していた。以上の結果、トレーニングおよびデイトレーニングに伴い筋および腱の形態および特性が必ずしも一様に変化しないことが明らかになった(発表論文準備中)。 (研究2)女性の月経周期に伴う筋および腱の力学的特性の変化 女性の月経周期(月経期、排卵期、黄体期)に伴う筋機能(最大筋力、活動水準、Twitch特性など)および腱特性を調査した。その結果、いずれのパラメータともに有意な変動がみられなかった(論文投稿中)。 (研究3)ヒト腱の血液量、酸素飽和度および酸素消費量の測定法の確立 レーザー組織血液酸素モニタを用い、等尺性収縮中の腱の血液量および酸素飽和度を測定した。発揮張力が高くなるにつれて収縮中の血液量の低下の程度が大きい傾向が認められた。さらに、筋収縮を繰り返した後では、腱の血液量および酸素飽和度ともに安静時よりも有意に高い値が維持され、腱の修復に関連していることが示唆された(Kuboら2008 Acta Physiol)。さらに、近位部を300mmHgで加圧中の酸素飽和度の低下率から腱の酸素消費量を算出すると、筋のおよそ半分であり、運動後の増加率も小さく、かつ終了10分後には安静時に回復していた(論文投稿中)。
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Research Products
(4 results)