2007 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児・者のためのコミュニケーションデバイスの開発と教育への応用
Project/Area Number |
18680051
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小林 巌 Tokyo Gakugei University, 教育実践研究支援センター, 准教授 (90305300)
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Keywords | 教育工学 / 情報システム / 教育系心理学 / 情報工学 |
Research Abstract |
平成19年度前半期は、デバイスのプロトタイプの作成を中心に研究を行った。平成18年度に開発した基礎的な機能を踏まえ、当初の計画における残りの部分の実装に取り組んだ。 実装システムは、昨年度と同様に持ち運びの容易さを考慮してノート型のパーソナルコンピュータ(PC)をメインとしているが、複雑な処理をリアルタイムで行うために最新のCPUを搭載したモデルに変更した。センサ部においては、平成18年度の利用評価の結果、課題として指摘された利用者の突発的な動きによるノイズ混入の影響を避けるための検討を行った。また、ソフトウェアに関しては、平成18年度に比べ、より多角的な観点から信号処理や分析が可能となるように機能を追加した。これにより、設定画面や結果表示の画面に呈示する情報が増加したため、リアルタイムで結果がわかりやすくなるようにユーザインタフェースの工夫を行った。 後半期には、前半期に完成したデバイスを用い、実際に重症心身障害児・者(以下、重症児・者と示す)を対象として利用評価を行った。その結果をもとに、さらにデバイスの改善を行い機能の充実に努めた。利用評価の際には、外部からの働きかけに対する重症児・者の反応の状況を把握するため、視覚等の刺激に対する反応を確認しているが、そのための機能について検討を行い、システムに追加することができた。以上の結果、本年度に予定していた機能が、作成したプロトタイプで実現できることを確認した。
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