2007 Fiscal Year Annual Research Report
層間有機修飾無機化合物を用いた水系の新規汚染防御技術
Project/Area Number |
18681010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀田 知人 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60333895)
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Keywords | 環境負荷低減技術 / 難分解性有害有機物質 / 層状複水酸化物 / 会合 / 捕捉 / 芳香族イオン |
Research Abstract |
環状構造を有する有機酸アニオンを層間にインターカレートした層状複水酸化物(Mg-Al LDH)による、排水中難分解性有害有機物質の捕捉に関する基礎研究を行った。 [2-ナフタレンスルホン酸イオン(2-NS^-)及び2,6-ナフタレンジスルホン酸イオン(2,6-NDS^<2->)をインターカレートしたMg-Al LDHの合成] 2-NS^-又は2,6-NDS^<2->含有溶液250mlを30℃、300rpmで撹拌し、そこにMg/Alモル比3.0のMg(NO_3)_2-Al(NO_3)_3溶液を10ml/minで滴下し、さらに1h撹拌した。撹拌中、溶液のpHが10.0で一定になるように、0.5M NaOH溶液を適宜滴下した。撹拌後、得られた懸濁粒子は、ろ別、水洗し、40h減圧乾燥して沈殿物を得た。分析の結果、沈殿物は、2-NS^-又は2,6-NDS^<2->を層間にインターカレートしたMg-Al LDH(2-NS・Mg-Al LDH又は2,6-NDS・Mg-Al LDH)であることがわかった。 [水溶液からのビスフェノールAの捕捉] 100mg/lビスフェノールA溶液20mlに、0.1gの2-NS・Mg-Al LDH又は2,6-NDS・Mg-Al LDHを加え、20℃で10〜360分間振とうした。所定時間後、懸濁液を固液分離して、ろ液の残留ビスフェノールAを定量した。両LDHにおいて、時間の経過と共に、ビスフェノールA濃度は急激に低下し、360分で1mg/lのレベルまで低下した。ビスフェノールAは非イオン性物質であるため、アニオン捕捉能を有するMg-Al LDHでは、水溶液からビスフェノールAを除去することはできない。しかし、層間を有機修飾することにより、層間の2-NS^-又は2,6-NDS^<2->のナフタレン環とビスフェノールAのベンゼン環が会合し、水溶液からビスフェノールAを除去できることを明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)