2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化フォトニック結晶における巨大磁気光学効果の発現
Project/Area Number |
18681016
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
曽越 宣仁 埼玉大学, 理工学研究科, 助手 (10361396)
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Keywords | 微粒子 / 磁気光学効果 / コロイド結晶 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
周期的構造をもった透明媒質中において、その繰り返し周期と同程度の波長を持つ光が進むとき、媒質と光との相互作用が極めて大きくなる。このような光特性を持った媒質をフォトニック結晶と言う。本研究の目的は、磁性を付与したフォトニック結晶を実現し、磁性による各種光学効果が増強される可能性を検討し、その応用についてまで研究を行う事である。これまでのところ、磁性コロイド結晶の作製、磁気光学効果の評価まで行った。得られた成果を順に述べると(1)周期構造の構成要素である磁性単分散微粒子を合成し、その微粒子を集積させた磁性フォトニック結晶膜を作製した。微粒子としてコアに約10nmの酸化鉄を持ち、その周りに厚くシリカをコーティングした直径200nm程度の複合微粒子を設計・合成した。この結果は予備研究の段階ですでに得られていたが、より実験の精度を上げることに成功した。(2)得られた膜について、結晶構造、透過スペクトル、磁性を評価した。膜の光伝搬特性をシミュレーションした結果と比較したところ、期待通りの特性を持っていることが分かった。(3)得られた膜の磁気光学効果について検討した。測定には超伝導磁石、偏光変調法などを用いた高感度な測定計を構築した。膜の構造性と磁気光学効果の相関を調べ、構造がよく整った膜はそうでない膜と比べ約3倍の磁気光学効果の増強を持つことを見いだした。この増強の大きさは、膜質が向上すればにさらに大きくなると期待される。
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