2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18681021
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
品田 賢宏 早稲田大学, 付置研究所, 講師 (30329099)
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Keywords | 単一イオン注入法 / 不純物規則配列 / 単一イオン入射検出 / 半導体 |
Research Abstract |
先端半導体デバイスでは、不純物原子数の統計的ゆらぎが顕在化し、素子特性のばらつきが生じるため、原子1個単位での不純物制御技術が求められる。従来、単一イオン注入法では注入の際にターゲットから放出される2次電子によりイオン入射を確認していたが、単一イオン検出率は90%に止まっていた。検出率100%を実現するために、単一イオン入射時に半導体電気的特性の変化量を検出する新手法を開発した。 ソースドレイン電圧0.1V、ゲート電圧0Vを印加し、数μAの電流を流した状態の抵抗体に単一イオンを注入したところ、1回の単一イオンの入射に対応して階段状の電流値変化を検出した。単一イオン照射試行回数と電流変化回数が完全に一致し、単一イオン入射検出率100%を初めて実現した。単一イオンを抵抗体の同一箇所に打ち込んだ場合、数10個、照射位置をチャネル方向に1μm移動させた場合にも電流変化を検出することができ、当該手法によって抵抗体中に不純物原子の規則配列を形成できることを確認した。また、1回の単一イオン入射によって減少する平均電流値は数nA、抵抗体を縮小すると電流値は増加することを観測し、微細化によって高感度化を図れることを実証した。 従来、イオンが半導体中に入射した際に生成される電子-正孔対を10V近い電圧を印加して分離し、過渡電流を検出する手法が開発されているが、ナノ構造では静電破壊を誘発する危険性があり、また、熱ノイズやリーク電流を低減するために冷却する必要がある一方、今回開発した手法は低電圧、常温で動作する点で優位である。
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