2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18681026
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
椎名 達雄 千葉大学, 工学部, 助手 (80304187)
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Keywords | ライダー / インライン / 豪雨 / 雷 / サーキュレータ / 偏光 |
Research Abstract |
集中豪雨・落雷予測を目的とした防災用ライダーシステムの開発を目指している。観測スケールは20km四方、1〜5分の予測時間において局所的災害の予測と回避を目指している。緊迫した状況下での避難勧告の確度を向上し、人的被害の回避を目指すものである。手法としては、光計測で雨雲・雷雲内の氷晶の動きを球状雲粒子と識別して計測することで集中豪雨、落雷の予兆因子を導出するものである。 平成18年度は光学系として採用しているインライン型光学系(送受信に共通の光学系を利用したもの)を実現するための光サーキュレータの製作を行った。可視光(YAG倍波)に対して透過効率を85%以上とし、かつエコー受光時のps偏光成分消光比を30dB以上で確保した。これにより、大気中の微細な偏光解消度を計測することが可能となる。実際のライダーエコーの受信時にはこのps偏光成分を差動検出することで、計測ダイナミックレンジならびに分解能の向上が期待できる。送信光学系ではシュミットカセグレン式反射望遠鏡を損出なく利用するために射出するレーザビームを環状光としている。その環状光生成のためのアキシコンプリズム対の導入も行った。特に光学素子からの正反射が同光軸上に並んだ受光器に戻って破壊してしまうことを避けるため、アキシコンプリズムの正対面に僅かな傾斜角を設け、かつ減反射コーティングを施す設計とした。また、豪雨・落雷の探査の目的から、送信ビームおよび観測方向は任意の必要がある。そのため送受信方向のスキャニング機構を導入し、PC制御によるスキャニングシステムを完成させている。 これらに加えて、次年度製作予定の受信系が完成することでライダーシステムとして稼動することができる。
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Research Products
(6 results)