2007 Fiscal Year Annual Research Report
崩落岩塊群の長距離運動機構の解明と数値モデルの構築
Project/Area Number |
18681028
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
岡田 康彦 Forestry and Forest Products Research Institute, 水土保全研究領域, 研究員 (50360376)
|
Keywords | 岩塊崩落 / 長距離運動 / 数値モデル |
Research Abstract |
運動時の力学に関する相似則の問題を無視可能と仮定できる規模(幅5m、長さ20mの水平部および勾配部からなる実験区分)で岩塊群の崩落実験を実施した。実験に使用した崩落装置は、最大で1m^3までの岩塊群の積層が可能であり、観音開き方式のゲートは、電気信号を用いて一気に開放可能なものである。さらには、水密機能を有している。積層した岩塊群は、個数にして、27(3×3×3)個、125(5×5×5)個、343(7×7×7)個、そして1,000(10×10×10)個で実験を行った。これらの実験は、それぞれに対して相似形の関係で、岩塊の個数のみが異なる仕様とした。また、同じ岩塊群の実験に対し、乾燥ならびに水で飽和の2種類で実験を実施した。 実験を実施した結果、崩落開始前ならびに堆積時の重心間の縦断運動距離は、岩塊群を水で飽和させた条件下では、乾燥条件下に較べ15%程度大きくなることがわかった。このことは、岩塊群の崩落のように、間隙という概念が存在しない流下現象においても、水の効果により運動距離が大きくなることを示している。さらに重心間縦断運動距離と岩塊群の体積(現在の実験では同じサイズの岩塊を使用しているので個数と同等)の関係を調べたところ、乾燥および水で飽和の両条件下において岩塊群の体積が大きくなるほど重心間縦断運動距離が小さくなることがわかった。このことは、岩塊群の体積が大きくなると、岩塊群の内部における岩塊同士の非弾性衝突の回数が増え、運動エネルギーが散逸することが主たる原因であると推定された。
|
Research Products
(1 results)